原題:Indictment:The McMartin Trial 製作年:1995年 製作国:アメリカ 
上映時間:120分(テレビ映画) ジャンル:社会派サスペンス/法廷ドラマ/実録もの
私のおすすめ度:★★★☆☆/3.5


「アメリカ史上、最も長く、最も歪められた裁判。」報道が火をつけた集団ヒステリー。
“真実”は、いつから姿を消していたのか。

作品解説・コメント

『誘導尋問』は、1980年代に実際にアメリカで起きた“マクマーティン保育園裁判”をもとにした実録法廷ドラマ。

当時、児童虐待という深刻なテーマに“悪魔的儀式”という疑惑が加わり、メディアがセンセーショナルに煽ったことで、事実が報道に飲み込まれていく。

その騒動と偏見の渦中で無罪を主張し続けた人々の姿を描いた、骨太で重たい作品や。

主演のジェームズ・ウッズが演じる弁護士は、まさに“声にならない真実”の代弁者のような存在。世論がひとたび“犯人像”を作り上げると、それを覆すのがどれほど困難なのか。

マスコミ、警察、司法、そして市民が複雑に絡み合った“アメリカ的パニック”の構造を冷静に見つめた作品で、社会派ドラマが好きな人にはぜひ観てほしい一本。

ちなみに、確かに良い作品なんだけど、個人的には作品の凹凸感ってものが欠けていた感あり!

動画とあらすじ

《あらすじ》
1984年3月、カリフォルニア州マンハッタンビーチ。マクマーティン保育園の園児の親から「子どもが虐待を受けた」と警察に通報が入る。

やがて保育士やその家族を含む7人が、208件に及ぶ児童虐待容疑で告発される。

“悪魔的儀式による虐待”というセンセーショナルなキーワードはすぐにメディアを通じて広まり、報道と世論は完全に“犯人ありき”の空気に染まっていく。

しかし、裁判が進むにつれて証拠の信ぴょう性や尋問方法への疑問が次々と浮かび上がり、次第に事件の本質が崩れていく。

この騒動は1990年、長期にわたる裁判の末に全員無罪というかたちで幕を閉じたが、失われたものはあまりにも多かった。

作品データ

《スタッフ》
監督:ミック・ジャクソン
脚本:アビー・マン、マイラ・マン
製作:オリヴァー・ストーン、ダイアナ・ポコーニイ
音楽:ピーター・ロジャース・メルニック

《キャスト》
ジェームズ・ウッズ
マーセデス・ルール
ロリータ・ダヴィドヴィッチ
マーク・ブラム
ガブリエル・ボニ
アリソン・エリオット
チェルシー・フィールド
シャーリー・ナイト
ヘンリー・トーマス
ジェームズ・クロムウェル

原題についての意味合い

原題『Indictment』は「起訴」を意味し、副題“: The McMartin Trial”が示すとおり、この作品は実在の裁判そのものを描いたドキュメンタリードラマに近い構成になっている。

タイトルそのものが、“世論と報道による起訴”という皮肉も孕んでおり、表面的な正義と本当の正義のズレを強く問いかけてくる。

爺さん頑張ってます!
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