今週も、名作揃いです.特に『波止場』、『荒野の用心棒』は何度見ても私にとって感動作です。
是非、是非、観賞して欲しいです。ひょっとしたら人生変わるかも………。

波止場(1954)

【作品解説】
マーロン・ブランド主演、アカデミー作品賞を含む8部門を制した社会派ドラマの金字塔。

かつては、将来を嘱望されたボクサーだったテリーは、今はニューヨークの波止場で日雇いとして働いている。しかし、その現場はギャングに支配され、労働者たちは日々恐怖の中で生きるしかなかった。

そんな中、テリーは思わぬ形で殺人事件に関わってしまい、被害者の妹や神父との出会いを通して、ゆっくりと正義に目覚めていく。

本作の“見どころ”
ブランドが演じるテリーの揺れ動く心を、エリア・カザン監督がドキュメンタリータッチで鋭く切り取っている点にある。

ボリス・カウフマン撮影によるシャープなモノクロ映像は、波止場に漂う冷気や孤独をそのまま画面に閉じ込めたような深い陰影を生み出し、テリーの葛藤に重なって胸に迫る。

暴力と沈黙に支配された世界で、一人の男が見いだす“小さな正しさ”。観終わったあと、その余韻が静かに心へ残り続ける。

【作品情報】
放送日時:BSP4K 11月24日(月)午前9:30~午前11:19
上映時間:1時間49分

原題:ON THE WATERFRONT (1954年・アメリカ)
製作:サム・スピーゲル
監督:エリア・カザン
原作:マルコム・ジョンソン
出演:マーロン・ブランド、エヴァ・マリー・セイント、カール・マルデン、リー・J・コッブ ほか

ブレードランナー ファイナル・カット(2007)4K版

【作品解説】
2019年のロサンゼルス。反乱を起こして逃亡したレプリカントと、彼らを追うブレードランナーの対決を描く、SF映画史に刻まれる名作。

雨とネオンが溶け合う退廃的な未来都市のデザイン、フィリップ・K・ディック原作が持つ深い哲学性、そしてリドリー・スコットが生み出した強烈な光と影の映像美は、今なお圧倒的な存在感を放っている。

本作の“見どころ”
近未来SFの枠に収まらない、人間そのものを見つめるまなざしにあった。デッカードの孤独、レプリカントたちの切実な願い、そしてロイ・バッティが迎える静かなクライマックス。どれもが観る者の心に深く染み込んでくる。

観終えたあと、不思議ともう一度あのネオンの街に足を踏み入れたくなる——そんな余韻を残す一本だ。

【作品情報】
放送日時:BSP4K 11月24日(月)午後11:00~午前0:59
上映時間:1時間59分

原題:BLADE RUNNER 〔2007年(オリジナル1982年)・アメリカ〕
製作:マイケル・ディーリー
監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック
音楽:ヴァンゲリス
出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、エドワード・ジェームズ・オルモス、ダリル・ハンナ ほか

ジャッカルの日(1973)

【作品解説】
1962年。アルジェリア独立を認めたドゴール大統領を暗殺すべく、保守過激派OASは一人のプロの殺し屋“ジャッカル”を雇う。

国家を揺るがす極秘計画を察知した公安当局は、ルベル警視に全権を委ね、ジャッカルを追う執念の捜査を開始するが、ジャッカルは静かにパリへ潜入し、誰にも気づかれず暗殺の準備を積み上げていく——。

本作の“見どころ”
事実とフィクションが綿密に絡み合った物語の緊張感と、名匠フレッド・ジンネマンの冷徹な演出にある。

感情を排したジャッカルのプロフェッショナリズム、対するルベル警視の地道で粘り強い捜査。その両者の駆け引きが、静かに、しかし確実に胸を締めつけてくる。

結末を知っていてもなお、思わず息を呑んでしまう。サスペンスとは何か、その答えを示すような一本だ。

【作品情報】
放送日時:11月26日(水)午後1:00~午後3:24
上映時間:2時間24分

原題:THE DAY OF THE JACKAL (1973年・イギリス/フランス)
監督:フレッド・ジンネマン
原作:フレデリック・フォーサイス
脚本:ケネス・ロス
出演:エドワード・フォックス、マイケル・ロンズデール、デルフィーヌ・セイリグ ほか

西部戦線異状なし(1930)完全版

【作品解説】
第1次大戦下のドイツ。ポールたち学生は、老教師の熱のこもった愛国心に押されるように戦場へ向かったが、厳しい訓練を経て送り込まれた最前線には、理想とはほど遠い現実が広がっていた。

飢え、泥、容赦ない砲火、そして仲間の死。若者たちは、戦争が奪っていくものの大きさを、痛みとともに知っていく。

本作の“見どころ”
レマルクの名作小説を映画化した本作。戦場の地獄を真正面から捉えたリアリティーと、そこに生きる兵士たちの心の揺れを丁寧に描いたところにある。

華々しさの欠片もない塹壕戦の描写は、戦争映画というより人間の尊厳を問いかける強い眼差しそのもの。アカデミー作品賞と監督賞を受賞したのも頷ける、反戦映画の原点と言える一本だ。初公開時に削られたシーンを加えた完全版では、より深い余韻が静かに胸へしみ込んでくる。

【作品情報】
放送日時:11月27日(木)午後1:00~午後3:15
内容時間:2時間15分

原題:ALL QUIET ON THE WESTERN FRONT (1930年・アメリカ)
監督:ルイス・マイルストン
原作:エリッヒ・マリア・レマルク
出演:ルー・エアーズ、ルイス・ウォルハイム、ウィリアム・ベイクウェル ほか

荒野の用心棒(1964)

【作品解説】
クリント・イーストウッド主演、セルジオ・レオーネ監督によるマカロニ・ウエスタンの原点と言われる一本。黒澤明『用心棒』を大胆にリメイクし、世界的ヒットへと押し上げたことで、イーストウッドの名も一気に広まった。

舞台となるのはニューメキシコ近くの国境の町サン・ミゲル。モラレス一家とロホ一家が対立し荒れ果てたその町に、名もなきガンマンがふらりと姿を見せる。
彼は双方を巧みに争わせ、互いを崩壊へ導こうと静かに策略を張り巡らせていく。

本作の“見どころ”
何よりイーストウッドがまとう寡黙な存在感と、レオーネ監督が描く乾ききった世界観にある。台詞より表情と間で語るガンマンの佇まい、緊張がじわりと広がる決闘シーン、そしてエンニオ・モリコーネの忘れがたいテーマ曲。

すべてが重なり合って、どこか神話のような空気を纏った一本に仕上がっている。観終わったあとも、砂塵の匂いとあの音楽がふっとよみがえるような作品だ。

【作品情報】
放送日時:11月28日(金)午後1:00~午後2:41
上映時間:1時間41分

原題:FISTFUL OF DOLLARS (1964年・イタリア/西ドイツ/スペイン)
監督・脚本:セルジオ・レオーネ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:クリント・イーストウッド、マリアンネ・コッホ、ジャン・マリア・ボロンテ ほか

ドクトル・ジバゴ(1965)

【作品解説】
ロシア革命の激動期を背景に、医師であり詩人でもあったユーリー・ジバゴの波乱に満ちた人生と、彼が愛した二人の女性との深いドラマを描いた、アカデミー賞5部門受賞の超大作。

パステルナークの名作を、巨匠デビッド・リーン監督が壮大なスケールで映像化した。オマー・シャリフが演じるジバゴの繊細なまなざし、ジュリー・クリスティのラーラが放つ強さと儚さ、そのどちらもが物語に深い陰影を与えている。

本作の“見どころ”
革命という大きな時代のうねりの中で、それでも消えなかった愛の温度を丁寧にすくい上げているところにある。雪原を駆け抜けるトロイカ、淡く揺れるランプの光、そしてモーリス・ジャールがバラライカで奏でるあの名テーマ。壮麗な映像と音楽が重なり、観る者の心を静かに揺らしていく。

恋愛映画でありながら、人生の美しさと残酷さが同時に迫ってくる、唯一無二の叙事詩のような作品だ。

【作品情報】
放送日時:11月29日(土)午後1:00~午後4:21
上映時間:3時間21分

原題:DOCTOR ZHIVAGO (1965年・アメリカ/イギリス/イタリア)
監督:デビッド・リーン
原作:ボリス・パステルナーク
脚本:ロバート・ボルト
出演:オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティ、ジェラルディン・チャップリン ほか

ボーン・アルティメイタム(2007)

【作品解説】
マット・デイモン主演の人気シリーズ第3作。CIAの極秘計画によって暗殺のスペシャリストへと鍛え上げられたジェイソン・ボーンは、いまだ霧の中にある自分の記憶を取り戻そうと奔走していた。

そんな折、CIAの陰謀を示す新聞記事を読み、ロンドンで記者と接触。さらに情報の発信源を求めてマドリッドへと向かう。

一方CIA内部でも、長らく隠されてきたボーンの過去に迫ろうとする動きが静かに広がっていく——。


本作の“見どころ”
何よりも息をつかせない追走劇と、シリーズを象徴するリアリティーに満ちたアクションのキレ。ロンドンの駅で交錯する視線や足音、マドリッドでの静かな緊張、そして真相へ近づくほどに浮かび上がるボーンの孤独。

その一つひとつが積み重なって、観ている側にも知らず知らず力が入ってしまう。アカデミー編集賞ほか3部門を獲得した怒涛の編集テンポが、物語のスリルをさらに引き立てている。シリーズの中でも、特に余韻の強い一本だ。

【作品情報】
放送日時:BSP4K 11月29日(土)午後9:00~午後10:56
上映時間:1時間56分

原題:THE BOURNE ULTIMATUM (2007年・アメリカ)
監督:ポール・グリーングラス
原作:ロバート・ラドラム
原案・脚本:トニー・ギルロイ
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、ジョアン・アレン、スコット・グレン ほか

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