
Interplay – Bill Evans
インタープレイ – ビル・エヴァンス
(録音日:1962年7月16日、17日 リリース日:1963年)
ジャズピアノの詩人が、仲間と仕掛ける“即興の化学反応”ってとこかな!
解説・コメント
ビル・エヴァンスといえば、多くの人がまず思い浮かべるのは『Waltz for Debby』や『Sunday at the Village Vanguard』に代表される、繊細で内省的なトリオの世界。
けれど、この『Interplay』はそんな固定観念を心地よく裏切ってくれる一枚。
ここでのエヴァンスは、豪華な仲間たちと肩を並べ、個の表現よりも全体の響きを楽しんでいる。フレディ・ハバードの熱を帯びたトランペット、ジム・ホールのクールで端正なギター、それを支えるパーシー・ヒースの堅実なベースとフィリー・ジョー・ジョーンズの推進力あるドラム。
顔ぶれを見ただけで、ただならぬセッションであることが伝わってくる。
面白いのは、エヴァンスが自分を主役に押し出すのではなく、むしろ全員の響きを引き出す役割に徹しているところかな>?。
トリオでは見せない“音楽監督”のような視点で全体を操り、アンサンブルそのものを作品の中心に据えている。
そこにこそ、ビルが単なるリリシストで終わらないことを証明する力強さがある。まぁ、結果のところ一曲ごとに化学反応が生まれ、聴き込むほど新しい発見があるアルバムになっているって感じる。
《聴きどころ》
このアルバムの最大の魅力は、やっぱりメンバー同士の“火花の散らし合い”かな。エヴァンスのピアノが静かに仕掛ければ、ハバードが即座に熱を持って応える。
そこへジム・ホールが涼しい顔でクールなフレーズを差し込む――そんなやり取りがもう、たまらなくスリリングなんです。
「You and the Night and the Music」での掛け合いは、まさにジャズの“会話”そのもの。タイトル曲「Interplay」では、リズムとメロディが複雑に絡み合っていきながらも、全員が同じ方向を向いて突き進むあの推進力。
聴いていて思わず「うわ、これぞセッション!」と身を乗り出してしまうはずです。
普段のエヴァンスに癒やされている人ほど、このアルバムを聴くと新鮮な驚きに出会えると思いますよ。
まぁ、聴いておくれやす!
Track list & Personal
《Track list》
You and the Night and the Music – 7:04(Arthur Schwartz)
When You Wish Upon a Star – 5:45(Leigh Harline)
I’ll Never Smile Again – 6:32(Ruth Lowe)
Interplay – 8:14(Bill Evans)
You Go to My Head – 5:05(J. Fred Coots)
Wrap Your Troubles in Dreams – 6:24(Harry Barris)
《Personal》
Bill Evans(ビル・エヴァンス)– Piano
Freddie Hubbard(フレディ・ハバード)– Trumpet
Jim Hall(ジム・ホール)– Guitar
Percy Heath(パーシー・ヒース)– Bass
Philly Joe Jones(フィリー・ジョー・ジョーンズ)– Drums
↓ ↓ ↓

