原題：F1 製作年：2025年 製作国：アメリカ 上映時間：155分 ジャンル：スポーツ/ドラマ
私のおすすめ度：★★★★☆/4.5
スピードの映画、というより“人生のギアチェンジ”の映画。
作品解説・コメント
モータースポーツの最高峰F1を舞台に、かつての天才ドライバーが再びサーキットへ戻ってくる復活劇。
主演はブラッド・ピット。
監督は『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー、製作にはジェリー・ブラッカイマーが名を連ねるだけあって『凄い』ってのが感想だ。
最大の特徴は、F1の全面協力を得て、実際のグランプリ開催中のサーキットで撮影している点。映像の臨場感は圧倒的で、エンジン音や速度感が身体に直接届く感覚がある。
一方で物語自体は王道だった。
挫折、再起、世代間の衝突と和解……その流れは読める。ただ、それを承知で観ても成立するのは、演出と映像の力が相当強いからだと思う。
やや上映時間が長く感じる場面はあるが、総じて“体験型”映画としての完成度は高い。
《見どころ》
最大の見どころは、実際のF1マシンとサーキットを使ったレースシーン。CGでは出せないスピード感と緊張感がある。
もう一つは、若手ドライバーとの関係性。単なる師弟ものではなく、世代の価値観の違いが丁寧に描かれている点が印象的だった。
そして、何といってもブラッド・ピットの存在感。派手さよりも“年齢を重ねた男の説得力”が前に出ている。
動画とあらすじ
《動画・あらすじ》
かつて世界を沸かせた伝説的F1ドライバー、ソニー・ヘイズ。第一線を退いた彼は、最下位に沈むF1チーム「エイペックス」に招かれ、現役復帰を果たす。
若き才能あふれるチームメイトと衝突しながらも、彼は再びレースの世界に身を投じていく。勝利だけでなく、チームとして走る意味を問い直す中で、ソニー自身も過去と向き合うことになる。
作品データと雑感
《作品データ》
監督：ジョセフ・コシンスキー
製作：ジェリー・ブラッカイマー
脚本：アーレン・クルーガー
主演：ブラッド・ピット
音楽：ハンス・ジマー
《こぼればなし・裏話》
本作はF1の公式協力のもと、実際のレース週末に撮影が行われた。
現役F1ドライバーのルイス・ハミルトンがプロデューサーとして参加しており、ドライバー目線のリアリティが随所に反映されている。
《原題の意味合いとは》
原題はシンプルに「F1」。余計な修飾を排したタイトルが示す通り、本作は“F1とは何か”を真正面から描こうとしている。日本題に付けられた「エフワン」は説明的だが、原題の潔さの方が、この映画の姿勢には近い。
《総評として》
ストーリーに新味は少ないが、それを補って余りある映像体験がある。
F1を知らなくても楽しめる一方、知っている人ほど「本物」を感じられる作り。
派手なスポーツ映画というより、経験を積んだ大人がもう一度挑戦する物語として観ると、意外と余韻が残る一本だった。
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