Kind of Blue – Miles Davis
カインド・ブルー -マイルス・デイビス
(録音日:1959年3月2日、4月22日 リリース年:1959年)

静寂に漂う粗野なエネルギー、モード・ジャズの永遠。

解説・コメント

『Kind of Blue』は、ジャズ史における最大級の金字塔。ハード・バップの熱量を経て、マイルスが到達したのは「モード・ジャズ」という新しい言語だった。

コード進行の縛りを捨て、スケールを基盤に即興を展開するという発想は、それまでのジャズの価値観を根底から揺さぶった。

このアルバムの真髄は、極限まで削ぎ落とされた音の空間にある。と感じる。

複雑な和声やアレンジを放棄する代わりに、ひとつひとつの音が長い余韻を伴って響き、静謐の中に深い抒情を宿す。

マイルスの冷ややかなトランペット、コルトレーンの粗野なまでに鋭いテナー、キャノンボールの人懐っこいアルト、その対比が独特のバランスを生み出している。

ただ、その均質で静かなトーンは、ときに“淡々としすぎる”と感じるリスナーもいるだろう。もっと激しい展開を求める耳には物足りなく映るかもしれない。

しかし、その“静けさ”こそが本作の核心であり、完璧に練られたフォルムの裏に、粗野なエネルギーが潜んでいるからこそ、聴くたびに新しい顔を見せる。

名盤と呼ばれる所以は、この二面性にある

《聴きどころ》
「So What」のミニマルなベースリフに切り込む、冷徹なミュート・トランペット。コルトレーンは粗野な切れ味で攻め立て、キャノンボールは柔らかさとブルース感で応じる。

そのコントラストは一度聴いたら忘れられない。「Blue in Green」や「Flamenco Sketches」では、エヴァンスの透明なタッチが幽玄な世界を描き、時間の流れを止めてしまうかのよう。

シンプルな構造だからこそ、演奏者それぞれの個性がむき出しになっている。

Track list & Personal

《Track list》
So What – 9:22(Miles Davis)
Freddie Freeloader – 9:46(Miles Davis)
Blue in Green – 5:37(Miles Davis & Bill Evans)
All Blues – 11:33(Miles Davis)
Flamenco Sketches – 9:26(Miles Davis)

《Personal》
Miles Davis(マイルス・デイヴィス)– Trumpet
John Coltrane(ジョン・コルトレーン)– Tenor Saxophone
Julian “Cannonball” Adderley(ジュリアン “キャノンボール” アダレイ)– Alto Saxophone
Bill Evans(ビル・エヴァンス)– Piano(except track 2)
Wynton Kelly(ウィントン・ケリー)– Piano(track 2)
Paul Chambers(ポール・チェンバース)– Bass
Jimmy Cobb(ジミー・コブ)– Drums

《総評として》
今作は、ジャズの入門にもぴったりやけど、聴き込むほど奥が深い一枚。静けさに包まれた演奏の中に、ふっと粗野なエネルギーがのぞく瞬間があって、そのバランスがたまらん。

派手な展開や盛り上がりを期待すると物足りなく感じるかもしれんけど、逆にその淡さがずっと耳に残るんよね。結局、何十年経っても手放せないアルバムやなと思う。

爺さん頑張ってます!
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