今週のNHKプレミアムシネマは、どれも名作揃いですが、注目はクリント・イーストウッドの『ペイルライダー』です。これは個人的な好みです。

その他、『奇跡の人』もなかなかお目にかかる作品ではないので、是非、今回のNHKプレミアムシネマでご覧ください!

フィールド・オブ・ドリームス(1989)

初回放送日:2021年8月30日

野球というシンプルなスポーツを通じて、家族の絆、愛、そして「信じること」の力を描き出した心震えるファンタジー。主演はケビン・コスナー。舞台はアイオワの片田舎。

ある日、農夫レイは“その声”を聞く。「それを造れば、彼が来る」。戸惑いながらも、彼はとうもろこし畑を切り拓き、ただの思いつきのような野球場を作りはじめる。

信じる者など誰もいない。でも、彼には確信があった──その先に、何か大切なものが待っていると。そして、ついに完成した夜、幻想とも奇跡ともつかない光景が現れる。

過去の名選手たち、記憶の中の父親、そして“癒やし”の時間が静かに流れ出す。ファンタジーでありながら、どこか現実味のある感動の物語。

これが最後の映画出演となった名優バート・ランカスターが見せる穏やかで深い存在感も忘れがたい──まるで“映画の神様”が静かに微笑んだような時間がここにある。

作品情報

放送日時:6月2日(月)
午後1:00~午後2:47 内容時間:1時間47分

原題:FIELD OF DREAMS (1989年・アメリカ)
監督・脚本:フィル・アルデン・ロビンソン
原作:W・P・キンセラ
出演:ケビン・コスナー、バート・ランカスター、エイミー・マディガン、レイ・リオッタ ほか

ココ・アヴァン・シャネル(2009)

初回放送日:2024年7月31日

世界を変えた“シンプルの革命”。
孤児院で育ち、酒場で歌い、誰にも期待されなかった少女が、自らの手で運命を縫い直していく──これは「ココ・シャネル」誕生前夜の物語。演じるのは『アメリ』のオドレイ・トトゥ。

繊細で芯の強いそのまなざしが、若き日のガブリエルに息を吹き込む。

裁縫の腕だけを武器に、華やかなだけの上流階級に背を向け、“着飾る自由”を追い求めたココ。型にはまることを拒み、自分のスタイルを貫く姿はまさに時代の風穴。

恋、失望、情熱、そして創造。イギリス人の青年実業家ボーイとの出会いも、彼女の人生に深く影を落とす。

成功のきらめきよりも、その裏にある孤独と闘志に焦点を当てた伝記ドラマ。静かな演出のなかに、ひたむきな生き様が際立つ一作──ココが“ただの名前”から“時代そのもの”になるまでの、最初のステッチを描く。

作品情報

放送日時:6月4日(水)
午後1:00~午後2:51 内容時間:1時間51分

原題:COCO AVANT CHANEL (2009年・フランス)
監督・脚本:アンヌ・フォンテーヌ
原作:エドモンド・シャルル・ルー
出演:オドレイ・トトゥ、ブノワ・ポールブールド、アレッサンドロ・ニボラ ほか

奇跡の人(1962)

初回放送日:2025年6月5日

音のない世界、光のない世界、そして孤独しかなかった少女に差し伸べられた、ひとつの“手”。
『奇跡の人』──それは、ヘレン・ケラーと家庭教師アニー・サリバン、ふたりの魂がぶつかり合い、やがて結びついていく真実の物語。

舞台版と同じくアーサー・ペンが演出、アン・バンクロフトとパティ・デュークが火花を散らすような熱演を披露し、アカデミー賞W受賞の快挙。

ヘレンの叫びはただのワガママではない。愛を求める飢えであり、世界とつながりたいという切実な願い。アニーはその叫びに、命を懸けて応える。水、パン、ドール──あらゆる感覚をぶつけながら、奇跡の扉はついに開かれる。

教育とは何か。伝えるとは何か。
本作は「教えること」の本質と、「人が人を信じること」の尊さを、見る者に真正面から問いかけてくる。50年以上経った今も色あせない、魂を揺さぶる傑作です。

作品情報

放送日時:6月5日(木)
午後1:00~午後2:48 内容時間:1時間48分

原題:THE MIRACLE WORKER (1962年・アメリカ)
監督:アーサー・ペン
出演:アン・バンクロフト、パティ・デューク、ビクター・ジョリー ほか

ペイルライダー(1985)

放送日時:6月6日(金)午後1:00~午後2:57 内容時間:1時間57分

初回放送日:2020年7月31日

荒野に響く蹄の音と、誰にも語られぬ“過去”。
『ペイルライダー』──クリント・イーストウッドが製作・監督・主演の三役を務めた、静かなる怒りを描いた西部劇の逸品。舞台はゴールドラッシュ期のカリフォルニア。土地を追われようとする開拓民たち。彼らを脅かすのは、欲にまみれた鉱山会社とその手先たち。

そんな中、一人の少女の祈りに導かれるように、牧師の服をまとった謎の男が現れる。その男は拳銃を封じたような佇まいでありながら、どこか只者ではない影を背負っている。

静かに開拓民を助けながら、やがて訪れる“決着”の時。正義とも、復讐とも言えぬ行動の中に、深い哀しみと覚悟がにじむ。

ブルース・サーティースの手による、光と影の絶妙なコントラストが、物語に陰影と詩情を添える。
イーストウッドの西部劇美学が凝縮された一本──台詞よりも沈黙が語る、西部劇の“余白”を堪能できる傑作です。

作品情報

原題:PALE RIDER (1985年・アメリカ)
製作・監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、マイケル・モリアーティ、キャリー・スノッドグレス、クリストファー・ペン、ジョン・ラッセル ほか

今回も長々とお付き合いありがとうございました!

爺さん頑張ってます!
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