
ゲット・アウト(2017)
【作品解説】
ニューヨークで写真家として活動する黒人青年クリスは、白人の恋人ローズに誘われ、彼女の実家を訪れる。
郊外の屋敷で両親は一見すると好意的に彼を迎え入れるが、そこで働く黒人使用人たちの不自然な言動が、次第に説明のつかない違和感として積み重なっていく。
善意に包まれた空気の中で、居心地の悪さだけが静かに膨らんでいく感覚が、この物語の核心だ。やがて、その違和感は想像を絶する恐怖へと姿を変える。
主演はダニエル・カルーヤ。黒人映画作家ジョーダン・ピールがオリジナル脚本で初監督を務め、アカデミー脚本賞を受賞した。
本作の怖さは派手な演出ではなく、ブラック・ユーモアを交えながら、日常に紛れ込む差別や無意識の偏見を炙り出していく点にある。
【作品情報】
放送日時:12月15日(月)午後1:00~午後2:45
上映時間:1時間45分
原題:GET OUT (2017年・アメリカ)
製作・監督・脚本:ジョーダン・ピールマイケル・エイブルズ
出演:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード ほ
ボディガード(1992)
【作品解説】
抜群の歌唱力でショー・ビジネス界に君臨する歌姫レイチェルのもとに、ある日脅迫状が届く。警護を任されたのは、寡黙で仕事一筋のボディーガード、フランク。
自由奔放なレイチェルは、彼の堅苦しい警護体制に反発するが、危険が迫る中でふたりの距離は次第に縮まっていく。
ホイットニー・ヒューストンが自身のイメージと重なるスター役を演じ、主題歌も世界的ヒットを記録した映画デビュー作。
ケビン・コスナー演じるフランクの不器用な優しさと覚悟が、華やかな舞台の裏に潜む孤独と恐怖を静かに浮かび上がらせる。ラブストーリーとサスペンスが交差し、観終わったあとも旋律と余韻がしばらく心に残る一本だ。
【作品情報】
放送日時:12月16日(火)午後1:00~午後3:10
上映時間:2時間10分
原題:THE BODYGUARD (1992年・アメリカ)
監督:ミック・ジャクソン
音楽:アラン・シルベストリ
出演:ケビン・コスナー、ホイットニー・ヒューストン、ビル・コッブス ほか
チャップリンの独裁者(1940)
【作品解説】
喜劇王チャップリンが、当時台頭していたヒトラーとナチスを痛烈に批判した映画史に残る傑作コメディー。
架空の国トメニアを支配する独裁者ヒンケルと、戦争で負傷し記憶を失ったユダヤ人の理髪師は、驚くほどうり二つだった。
ひょんなことから立場が入れ替わり、理髪師が独裁者として演壇に立つことになる。チャップリンはこの二役を演じ分け、本作で初めて本格的にトーキーへ挑戦。
笑いと風刺を武器に権力の愚かさを暴きながら、クライマックスでは一転、人間の尊厳と自由を訴える名演説が観る者の胸を強く打つ。時代を超えてなお色あせない、コメディという形を借りた切実なメッセージが、静かな余韻とともに心に残る一本だ。
【作品情報】
放送日時:12月17日(水)午後1:00~午後3:06
上映時間:2時間06分
原題:THE GREAT DICTATOR (1940年・アメリカ)
製作・監督・脚本:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、ポーレット・ゴダード、ジャック・オーキー ほか
ノッティングヒルの恋人(1999)
【作品解説】
世界的なハリウッド女優アナは、映画の撮影でロンドンに滞在中、ノッティングヒルの小さな旅行書専門店で、心優しくナイーブな店主ウィリアムと出会う。
まったく異なる世界に生きるふたりは、ぎこちない距離感のまま惹かれ合っていくが、その恋はやがて周囲を巻き込み、町中の大騒ぎへと発展していく。
ジュリア・ロバーツとヒュー・グラントが等身大の魅力で演じるこの物語は、身分違いの恋という王道を、軽やかなユーモアと温かな視線で包み込む。
個性的な脇役たちの存在感も心地よく、エルヴィス・コステロが歌う主題歌「She」が、恋の余韻をやさしく後押しする。
観終わったあと、ふと街角の何気ない日常が少しだけ輝いて見える、そんな幸福感を残すロマンチック・コメディーだ。
【作品情報】
放送日時:12月18日(木)午後1:00~午後3:05
上映時間:2時間05分
原題:NOTTING HILL (1999年・アメリカ)
監督:ロジャー・ミッチェル
出演:ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント、リス・エバンス ほか
リバティ・バランスを射った男(1962)
【作品解説】
近代化の波が押し寄せる西部の小さな町を舞台に、正義と友情、そして時代の転換点を描いた巨匠ジョン・フォード監督の傑作西部劇。
東部の大学で法律を学び、理想を胸に町へやって来た弁護士ランスは、無法者リバティ・バランスに襲われ重傷を負う。彼を救ったのは、銃の名手である牧場主トムと、その恋人ハリーだった。
暴力ではなく法によって町を変えようとするランスは、新聞社の編集長ピーボディと手を組み、バランス一味に立ち向かおうとするが、そこには避けられない犠牲と選択が待ち受けている。
ジョン・ウェインとジェームズ・スチュワート、二人の存在が象徴するのは「去りゆく西部」と「生まれつつある時代」。神話と現実の狭間で語られるこの物語は、西部劇という枠を超え、観る者に静かな問いと深い余韻を残す一本だ。
【作品情報】
放送日時:12月19日(金)午後1:00~午後3:04
上映時間:2時間04分
原題:THE MAN WHO SHOT LIBERTY VALANCE (1962年・アメリカ)
監督:ジョン・フォード
原作:ドロシー・M・ジョンソン
出演:ジョン・ウェイン、ジェームズ・スチュワート、ベラ・マイルズ、リー・マービン ほか
ライトスタッフ(1983) オリジナル版
【作品解説】
20世紀半ば、宇宙開発という未知の領域に挑んだマーキュリー計画の7人の宇宙飛行士と、音速の壁を破った伝説のテスト・パイロット、チャック・イエーガー。
国家の威信と個人の誇りを背負い、極限状況に身を投じる男たちの姿を通して、本作は「正しい資質とは何か」を静かに問いかけてくる。
華々しい成功の裏にある恐怖や挫折、仲間との絆が丁寧に描かれ、単なる英雄譚には終わらない深みがある。サム・シェパードがクールに体現するイエーガー像をはじめ、実力派俳優たちの存在感も印象的だ。
フィリップ・カウフマン監督の演出、雄大な映像美と音楽が相まって、3時間を超えるオリジナル版でこそ味わえる重厚な余韻を残す実話ドラマとなっている。
【作品情報】
放送日時:12月20日(土)午後1:46~午後5:01
上映時間:3時間15分
原題:THE RIGHT STUFF (1983年・アメリカ)
監督・脚本:フィリップ・カウフマン
出演:サム・シェパード、エド・ハリス、デニス・クエイド、スコット・グレン ほか
今回も長々とお付き合いありがとうございました!
尚、乱文についてはご容赦を!
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