
原題:Don’t Bother to Knock 製作年:1952年 製作国:アメリカ 上映時間:76分
ジャンル:心理サスペンス 私のおすすめ度:★★★★☆/4.5点
スターになる前、マリリンはこんなにも“壊れやすかったんだ”。
作品情報・コメント
監督はRoy Ward Baker。主演はMarilyn Monroe。
本作は、グラマラスなセックスシンボルとしてのイメージが確立する前のマリリンが、精神的に不安定な若い女性を演じた心理サスペンスである。
舞台はニューヨークのホテルの一夜。
ベビーシッターとして雇われたネルは、過去に心を病んだ経験を抱えながら、子どもと二人きりの空間に取り残される。
この映画の最大の見どころは、マリリンの“危うさ”そのものだ。
甘い笑顔の裏にある孤独、愛されたいという渇望、そして崩れかけた心の揺らぎ。
クローズアップで捉えられる表情は実に繊細で、スターの輝きとは別の“影”がはっきりと浮かび上がる。
また、ホテルという閉ざされた空間の演出も秀逸だ。
長い廊下、無機質なドア、隣室との薄い壁。
逃げ場のない構造が、心理的緊張を静かに積み重ねていく。
上映時間は76分と短いが、密度は高い。
マリリン・モンローという女優を、先入観なしに見直す一本である。
動画とあらすじ
Check out the official Don't Bother to Knock (1952) Trailer starring Marilyn Monroe! ► Watch on Vudu: https://www.vudu.com/content/movies/details/Dont-Bother...
《ザックリあらすじ》
ニューヨークのとあるホテル。若い女性ネルは、叔父の紹介で宿泊客の子どもの世話を任される。だが彼女は精神的に不安定で、孤独と不安が徐々に彼女を支配していく。
隣室に滞在するパイロットのジェド(Richard Widmark)はネルに惹かれるが、やがて異変に気づく。
一夜のうちに、静かなホテルは不穏な空気に包まれていく――。
作品データ&こぼれ話、その他
《スタッフ》
監督:ロイ・ウォード・ベイカー
脚本:ダニエル・タラダッシュ
原作:シャーロット・アームストロング
《キャスト》
ネル:マリリン・モンロー
ジェド:リチャード・ウィドマーク
《こぼればなし・裏話》
・この作品は、マリリンが演技派として注目されるきっかけの一つとなった。
・当時20代前半ながら、陰影ある演技を見せている。
・のちの華やかな役柄とは対照的なキャラクターである。
《原題の意味合いとは》
“Don’t Bother to Knock” は直訳すると「ノックしなくていい」。
ドアの向こうにある孤立や、誰も助けに来ない状況を暗示するタイトルとも受け取れる。
《総評として》
この映画は派手なサスペンスではない。むしろ、壊れていく心の音を静かに聞かせる心理劇である。
マリリン・モンローの魅力は、美しさだけではなかった。
この作品で見せるのは、不安、孤独、そして必死に愛を求める姿だ。
後年のスター像を知っているからこそ、この映画は余計に胸に残る。
あの眩しい笑顔の奥に、こんな影があったのかと気づかされる。
観終わったあと、“マリリンは演じていたのか、それとも素顔に近かったのか”と考えてしまった。
女優マリリン・モンローを語るなら、外せない一本である。
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