作品情報・コメント

今回のジャズ名盤は、私の大好きなひとりハービー・ハンコックの『処女航海』で、原題は『Maiden Voyage』!

ハンコックが1965年に録音・発表した確かブルーノートでの5作目のスタジオ・アルバムだと記憶します。

そして、50年代ジャズと60年代ジャズの狭間であるなか、この作品が代表的ではないかと思います。

私はニューハードバップと呼んでます。

それをもっともよく表しているのがこの演奏スタイルや、空気感の違いと考えます。

1曲目などは典型的で、何故か聴いていると『海』を感じてしまうんです。

全曲に青い大海原が見えてきます!(私的感覚)

過去の遺物ではありませんが、暗い倉地下室で演奏されたような50年代ハード バップに対し、このアルバムに感じること。

それは、60年代新主流派のニューサウンドであり、音の広がりや、その響きがより開放的なのです。

ハンコックのソロも、フレーズよりハーモニーを大事にしている点に新しさがあるような気がします。

ちなみに、ハンコックは当時マイルス・デイヴィス・クインテットでのピアノ。

本作収録曲の「リトル・ワン」は、本作に先がけてマイルのリーダー・アルバム『E.S.P.』に録音されたそうです。

ここに面白い逸話がありました。

1965年3月11日にフレディ・ハバード、ジョージ・コールマン、ロン・カーター、ステュ・マーティンを従えて「処女航海」、「リトル・ワン」、「ドルフィン・ダンス」の3曲が録音されたそうです。

しかし、何故かこの時のテープは残っていない。

その後、3月17日に行われたセッションでは、マーティンに代わりトニー・ウィリアムスがドラムスを担当したということです。(ブルーノート・レコードの記録より

まさにマイルス抜きのセッションであり、マイルスファミリーですな。

Tune&Personal

《曲目》
1.Maiden Voyage/処女航海 (7:59)
2.The Eye of the Hurricane/ジ・アイ・オブ・ザ・ハリケーン (6:03)
3.Little One/リトル・ワン(8:51)
4.Survival of the Fittest/サヴァイヴァル・オブ・ザ・フィッテスト(10:08)
5.Dolphin Dance/ドルフィン・ダンス(9:19) 

ハービー・ハンコック(ピアノ)
フレディ・ハバード(トランペット)
ジョージ・コールマン (テナー・サクソフォーン)
ロン・カーター(ベース)
トニー・ウィリアムス (ドラムス)

Blue Note 1965年録音

爺さん頑張ってます!
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