
ユー・ガット・メール(1998)
【作品解説】
トム・ハンクス、メグ・ライアン、そしてノーラ・エフロン監督――『めぐり逢えたら』のあの3人が再び組んだロマンチック・コメディ。
舞台はニューヨーク。小さな絵本店を大切に守ってきたキャスリーンの前に、大手書店チェーンの御曹子ジョーが新店舗を構えることになり、2人は完全に“商売敵”の関係になってしまう。
が、偶然インターネットで知り合った相手こそ、実はお互い本人だとは気づかないまま、メールでは素直な気持ちを打ち明け合うようになっていく。現実ではケンカ腰なのに、オンラインでは惹かれ合ってしまう――そんな軽やかで温かいすれ違いが、この作品のいちばんの魅力です。
【見どころ&ポイント】
現実では衝突ばかりの2人が、ネットでは素直に惹かれ合っていく“すれ違い”の面白さが、この作品の大きな魅力です。季節によって表情を変えるニューヨークの街並みも物語をやさしく包み込み、ハンクスとライアンのテンポのいい掛け合いが心地よい余韻を残してくれます。
【作品情報】
放送日時:11月17日(月)午後1:00~午後3:00
上映時間:2時間00分
原題:YOU’VE GOT MAIL (1998年・アメリカ)
製作:ローレン・シュラー・ドナー
製作・監督・脚本:ノーラ・エフロン
脚本:デリア・エフロン
出演:トム・ハンクス、メグ・ライアン、グレッグ・キニア、パーカー・ポージー ほか
タクシードライバー(1976)
【作品解説】
ロバート・デ・ニーロとマーティン・スコセッシ監督――映画史に残る名コンビが生んだ代表作のひとつ。
物語の中心にいるのは、ベトナム戦争から帰還した元海兵隊員トラビス。深い不眠症を抱える彼は、夜でも働けるタクシー運転手としてニューヨークの街を走り続ける。
無数の客を乗せながら、混沌とした街の空気に触れるうちに、トラビスは次第に孤独と苛立ちを募らせ、社会そのものへの敵意を抱くようになっていく。
その狂気と混乱を、ロバート・デ・ニーロが圧倒的な存在感で表現。
当時13歳のジョディ・フォスターが見せた演技も大いに話題となりました。映画はカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、今もなお強烈な衝撃を放ち続ける作品です。
【見どころ&ポイント】
孤独と怒りを抱えたトラビスが少しずつ壊れていく姿を、デ・ニーロが圧巻のリアリティで演じています。70年代ニューヨークの荒れた空気も強烈な存在感を放ち、若きジョディ・フォスターの演技が物語に忘れがたい緊張感を与えています。
【作品情報】
放送日時:11月18日(火)午後1:00〜午後2:55
上映時間:1時間55分
原題:TAXI DRIVER (1976年・アメリカ)
製作:マイケル・フィリップス、ジュリア・フィリップス
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレイダー
出演:ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ジョディ・フォスター、ピーター・ボイル、ハーベイ・カイテル ほか
惑星ソラリス(1972)
【作品解説】
アンドレイ・タルコフスキーが、ポーランドの作家スタニスワフ・レムの名作SFを独自の哲学と映像美で映画化した一本。
人間が理解し得ない“何か”と向き合う時、心の奥底に隠してきた罪や愛がどのように姿を変えるのか。そのテーマが静かで重厚なドラマとして描かれている。
海のように揺らめく惑星ソラリスを巡る宇宙ステーションが沈黙し、心理学者クリスが調査に入るところから物語は始まる。
そこで彼の前に現れたのは、すでに亡くなったはずの妻・ハリー。なぜ彼女が“再生”したのか、その理由はソラリスの不可思議な力に深く結びつくが……..。
タルコフスキーならではの長回しと静謐な映像、そして全編を包み込むバッハの音楽が、作品の深い精神性を静かに支えています。カンヌ映画祭審査員特別グランプリを受賞した、SFと人間ドラマの境界を超える傑作です。
【見どころ&ポイント】
惑星ソラリスが、“人の記憶”を形にして返すという設定が強烈で、亡き妻との再会がクリスの心をどんどん揺さぶっていく。何が現実で、何が願望なのかが曖昧になっていく過程がとてもスリリング。また、タルコフスキー特有の静かな映像表現が、宇宙を舞台にしながらも“ひとりの男の内面を旅する物語”としての深みを与えている。バッハの音楽が流れる瞬間は、どこか宗教的な静けさすら漂わせる印象的なシーンばかりだった。
【作品情報】
放送日時:11月19日(水)午後1:00~午後3:48
上映時間:2時間48分
原題:СΟΛЯΡИС (1972年・ソ連)
監督・脚本:アンドレイ・タルコフスキー
脚本:フリードリヒ・ガレンシュテイン
出演:ドナタス・バニオニス、ナタリア・ボンダルチュク、ユーリー・ヤルヴェト、アナトリー・ソロニーツィン ほか
七人の無頼漢(1956)
【作品解説】
愛する妻を7人の無頼漢に殺された元保安官ストライドが、復讐のために犯人一味を追う西部劇の名作。途中でジョンとアニー夫妻のほろ馬車に出会い、チリカウア族の襲撃を警戒しながら共に荒野を進むことに。
さらに、かつてストライドが逮捕したことのあるマスターズとクリートの2人組も加わり、道中は予測できない緊張感に満ち溢れる。
主人公ストライドを演じるランドルフ・スコットの渋さが抜群で、バッド・ベティカー監督の無駄をそぎ落とした演出が物語の重さと静かな迫力を際立たせている。“ベティカー=スコット”黄金コンビの中でも特に評価が高く、映画史に残る硬派な西部劇として語り継がれる一本。
【見どころ&ポイント】
ストライドが妻を奪った7人を追いながら、自分自身の罪悪感や弱さと向き合っていく過程がとても深い余韻を。荒野の静けさが物語の緊張感をより際立たせ、裏切りや駆け引きが少ない台詞で鋭く描かれている。
そして、スコットとマスターズ役リー・マーヴィンの対照的な存在感が映画を一段と引き締め、最後の対決に向けた張り詰めた空気が強烈な印象があった。
【作品情報】
放送日時:11月21日(金)午後1:00~午後2:19
上映時間:1時間19分
原題:SEVEN MEN FROM NOW (1956年・アメリカ)
製作:アンドリュー・V・マクラグレン、ロバート・E・モリソン
監督:バッド・ベティカー
原案・脚本:バート・ケネディ
出演:ランドルフ・スコット、リー・マービン、ゲイル・ラッセル ほか
ツーリスト(2010)
【作品解説】
ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーが共演した、ロマンチックでスリリングなミステリー映画。心の傷を癒そうと一人旅をしていたアメリカ人フランクは、パリからヴェネチアへ向かう列車で謎めいた美女エリーズと出会う。
彼女に誘われるまま異国の街でのアバンチュールを楽しむフランクでしたが、実はエリーズは警察に監視されており、彼女の存在に巻き込まれるようにしてフランクは“大物犯罪者の替え玉”として狙われる立場に。
警察、マフィア、エリーズの素性……何が本当で、誰を信じるべきか分からないまま奔走する彼の運命が、ヴェネチアの美しい街並みと共に軽やかに描かれていいる。
【見どころ&ポイント】
フランクとエリーズの微妙な距離感が作る“甘さと不安”が心地よく、だまされているのは誰なのか最後まで読めない展開が魅力です。ジョニー・デップのどこか頼りなさげな普通の男っぽさと、アンジーのミステリアスで完璧な存在感のギャップが物語を引き締めます。さらに、ヴェネチアを舞台にした豪華な映像美が、全体をクラシックなロマンス映画のように包み込んでくれます。
【作品情報】
放送日時:11月22日(土)午後1:00~午後2:44
上映時間:1時間44分
原題:THE TOURIST (2010年・アメリカ/フランス)
製作:グレアム・キング、ティム・ヘディントン、ロジャー・バーンバウムほか
監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、ティモシー・ダルトン ほか
ボーン・スプレマシー(2004)
【作品解説】
マット・デイモンがCIAの極秘計画から生まれたエージェント、ジェイソン・ボーンを演じる人気シリーズ第2作。恋人マリーとインドで静かな生活を送っていたボーンだったが、過去の記憶が完全に戻らないまま悪夢に苦しみ続けていた。
そんな中、ベルリンで謎の襲撃事件が起こり、その現場から検出された指紋がボーンのものと一致したことで、CIAは彼を再び追うことに。
“なぜ自分が狙われるのか”“本当の自分は何者なのか”。平穏を望んでいたボーンが、再び渦の中に巻き込まれていく姿を、ポール・グリーングラス監督が圧倒的な臨場感で描き出す。
【見どころ&ポイント】
逃げる側と追う側、その両方をリアルに描くことで生まれる緊張感がシリーズ屈指の魅力です。ボーンが己の過去と向き合いながら行動していく姿に“覚悟の重み”が見えてきます。さらに、グリーングラス監督のドキュメンタリータッチの演出がカーアクションや市街地の逃走劇をより生々しく見せ、観客をその場に放り込むような迫力を生み出しています。
【作品情報】
放送日時:BSP4K 11月22日(土)午後9:00~午後10:49
上映時間:1時間49分
原題:THE BOURNE SUPREMACY (2004年・アメリカ)
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ポール・L・サンドバーグ
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、ジョアン・アレン、ブライアン・コックス ほか
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