フォードvsフェラーリ(2019)

【作品解説】
1966年のル・マン24時間レースで、常勝フェラーリに挑んだフォード陣営の実話を映画化。元レーサーでカー・デザイナーのキャロル・シェルビーと、扱いにくいが天才的な英国人ドライバー、ケン・マイルズ。

勝利を目指す道のりは、マシン開発だけでは終わらず、企業の思惑や現場の意地が絡み合っていく。

レース映画の皮をかぶった、人間ドラマとしての熱量が強い一本。アカデミー賞では編集賞と音響編集賞を受賞している。

見どころは、まずレース描写の迫力。スピードの気持ちよさだけじゃなく、怖さや緊張まで伝わってくるのがいい。しかも、その“技術の戦い”を支えるのが、シェルビーとマイルズの関係性で、言葉少なに信頼を積み上げていく感じが渋い。

さらに現場の熱と組織の論理がぶつかる構図が、ドラマとしての推進力になっていて、勝利の意味がどんどん濃くなっていく。実車にこだわった撮影の話も含め、作り手の本気が画面から伝わってくるタイプの映画。

【NHKプレミアムシネマ/放送日】
放送日時:1月19日(月)午後1:00~午後3:34
上映時間:2時間34分

原題:FORD V FERRARI (2019年・アメリカ)
製作・監督:ジェームズ・マンゴールド
製作:ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング
出演:マット・デイモン、クリスチャン・ベール、ジョン・バーンサル ほか

フルメタル・ジャケット(1987)

【作品解説】
ベトナム戦争を、真正面からの英雄談ではなく「人がどうやって殺人のための道具になっていくか」という視点で描いたキューブリックの戦争映画。

前半は海兵隊訓練基地での地獄のしごき、後半はベトナムの市街戦へと舞台が移り、同じ戦争でも“質の違う地獄”が続いていく。

痛烈なユーモアと冷たい観察眼が同居していて、観終わったあとに静かに効いてくるタイプの一本。脚色賞(脚本賞)にノミネートもされている。

見どころといえば、前半の訓練パートです。これが痛々しい。

怒鳴り声や号令のリズムが妙に耳に残って、笑える瞬間があるのに、気づけば笑えなくなっていく。新兵たちの表情や立ち姿が少しずつ変わっていく描写が容赦ない。

後半の戦場パートでは、ルールのない市街戦の不気味さが前に出て、正義も目的も曖昧なまま消耗していく感覚がくる。派手さよりも、戦争が人間の内側をどう壊すかをじっと見せる演出が刺さる作品。

【NHKプレミアムシネマ/放送日】
放送日時:1月20日(火)午後1:00~午後2:58
上映時間:1時間58分

原題:FULL METAL JACKET (1987年・アメリカ)
製作・監督・脚本:スタンリー・キューブリック
原作・脚本:グスタフ・ハスフォード
出演:マシュー・モディン、アダム・ボールドウィン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ ほか

エル・スール(1983)

放送日時:1月21日(水)午後1:00~午後2:36
上映時間:1時間36分

【作品解説】
スペインの巨匠ビクトル・エリセが『ミツバチのささやき』から10年を経て発表した長編第2作。1957年、15歳の少女エストレリャは、父アグスティンがもう戻らないことを悟る。

そこから彼女の回想によって、穏やかで寡黙だった父の“近寄りがたさ”の正体が、少しずつ輪郭を持って浮かび上がる。

内戦が残した傷、家族が抱え込んだ沈黙、そして娘が父に向けていた憧れと戸惑い。大げさな説明は避けながら、映像と空気で観客の胸に届かせる、詩情のあるドラマだ。

見どころは、少女の視線のままに語られる“父という謎”の描き方だ。優しいのに距離がある、家にいるのに心がどこか遠い。オメロ・アントヌッティの抑えた演技が、その矛盾を静かに成立させている。

そして、光や影、室内の静けさが感情そのものになっていく映像の美しさ。言葉よりも余白で語るからこそ、家族の記憶や時代の重さがあとからじわっと残る。

派手な泣かせではなく、心の奥に小さく刺さって、長く抜けないタイプの一本だ。

【NHKプレミアムシネマ/放送日】
放送日時:1月21日(水)午後1:00~午後2:36
上映時間:1時間36分​
 
原題:EL SUR (1983年・スペイン/フランス)
製作:エリアス・ケヘレタ
監督・脚本:ビクトル・エリセ
原作:アデライダ・ガルシア・モラレス
出演:オメロ・アントヌッティ、ソンソレス・アラングーレン、イシアル・ボリャン ほか

暗殺の森(1970)4K修復版

【作品解説】
第2次大戦前夜のヨーロッパを舞台に、少年時代の罪悪感を抱えた青年マルチェッロが、体制に“馴染む”ためにファシズムへ傾き、やがて暗殺の任務へと追い込まれていく物語。

彼は狂気の怪物というより、どこにでもいそうな「周囲に合わせたい人間」なのが厄介で、そこが一番ぞっとする。

ベルトルッチの演出は冷静なのに、内側の不穏だけがどんどん濃くなっていき、観ている側の感情も知らないうちに揺さぶられる。

見どころ!ヴィットリオ・ストラーロの撮影による光と影の設計が、人物の心理や時代の空気そのものになっているところ。

美しい構図なのに、息苦しい。華やかな場面ほど、むしろ冷たさが際立つ。そのうえで、トランティニャンの抑えた演技が抜群に効く。

激情を爆発させないまま、罪悪感と自己保身が同居した“空っぽの危うさ”を見せる。物語としては暗殺任務のサスペンスだけど、本当の怖さは「体制に吸い寄せられる心の弱さ」が、こんなにも静かに描けてしまう点にある。

【NHKプレミアムシネマ/放送日】
放送日時:1月22日(木)午後1:00~午後2:55
上映時間:1時間55分

原題:IL CONFORMISTA (1970年・イタリア/フランス/西ドイツ)
製作:マウリツィオ・ロディ・フェ
監督・脚本:ベルナルド・ベルトルッチ
原作:アルベルト・モラヴィア
出演:ジャン・ルイ・トランティニャン、ステファニア・サンドレッリ、ドミニク・サンダ ほか

サスカチワンの狼火(1954)

【作品解説】
「シェーン」のアラン・ラッド主演、ラオール・ウォルシュ監督の西部劇。舞台は開拓時代のカナダ西部。

先住民クリー族に育てられた騎馬警官隊のオロークは、義兄弟ケジュウと巡察中に襲撃を受けた女性グレースを救う。ところが砦に戻ると、当局の横暴な政策で、築いてきたはずのクリー族との関係が急速に崩れはじめていた。

さらにスー族の大群が北上してくるという情報が入り、警官隊は砦への移動を開始するが……。単なる勧善懲悪じゃなく、立場と文化がぶつかるところに火がつくタイプの物語。

見どころは、銃撃戦の迫力以上に“板挟み”の緊張感。オロークは騎馬警官隊の一員でありながら、クリー族の側の理屈も肌で分かっている。

その立ち位置が、状況が悪化するほど重荷になっていく。加えて、当局の方針ひとつで友好が一気に敵意へ変わる怖さがじわじわ効く。

荒野を移動する隊列の不安、砦へ向かう道中の張りつめた空気、そして「守るべきもの」が途中で揺らいでいく感覚。ウォルシュらしいテンポの良さで押し切りつつ、後味は案外ビターな一本。

【NHKプレミアムシネマ/放送日】
放送日時:1月23日(金)午後1:00~午後2:28
上演時間:1時間28分
 
原題:SASKATCHEWAN (1954年・アメリカ)
製作:アーロン・ローゼンバーグ
監督:ラオール・ウォルシュ
原案・脚本:ギル・ダウド
出演:アラン・ラッド、シェリー・ウィンタース、ロバート・ダグラス ほか

ディア・ハンター(1978年・アメリカ)

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今回も長々とお付き合いありがとうございました!
尚、乱文についてはご容赦を!

爺さんも頑張ってます!
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