原題:The Wronged Man 製作年:2010年 製作国:アメリカ 上映時間:90分
ジャンル:法廷ドラマ/社会派ヒューマン 私のおすすめ度:★★★★☆

正義はいつも遅れてやってくる──でも、あきらめない人がいる限り、希望は消えない

作品情報・コメント

この作品は、10歳の少女を暴行したという“ぬれぎぬ”を着せられた黒人男性カルヴァン・ウィリスと、彼の無実を信じ続けた一人の女性・ジャネット・グレゴリーの、20年にわたる静かな闘いを描く実話ベースのドラマである。

原題「The Wronged Man」は、“冤罪を受けた男” “不当に扱われた者”という意味を持つ。つまり、この物語の核心は「罪を犯した男」ではなく、「真実を奪われた男」の物語なのだ。

主人公ジャネットを演じるのは『マリリン 7日間の恋』のジュリア・オーモンド。彼女は弁護士ではない。ただの秘書。だが彼女は、カルヴァンの目を見て、信じてしまった。「この人は違う」と。

法的な知識も手段も限られる中で、彼女は小さな糸口を頼りに、長年をかけて裁判記録と向き合い、再審への扉を叩き続ける。何度もくじけそうになりながらも、彼女の行動は止まらない。それは、誰に頼まれたわけでもない“心の声”に従った結果だった。

テレビ映画という枠組みの中に、決して派手ではないが、骨太のテーマがしっかりと息づいている。“正義”というものが、必ずしも法の中にあるわけではないと気づかされる。

そして、信じる気持ちがひとりの人生を動かすことがあるのだという、ささやかだけれど確かな希望が、この映画には宿っている。

動画とあらすじ

《あらすじ》
ある日、少女への性的暴行事件でカルヴァン・ウィリスが逮捕される。証拠は乏しく、本人は無実を主張するが、裁判所は彼に有罪を言い渡す。それから20年以上のあいだ、彼は刑務所の中で「真実が届く日」を待ち続けた。

そんな彼の声に耳を傾けたのが、弁護士秘書ジャネット・グレゴリー。正義のためではない。ただ、彼が無実だと信じたから。彼女は仕事の合間に書類を読み込み、証人を訪ね、検査技術の進化に希望を託し続けた。そして、ついに――

ちなみに!
原題「The Wronged Man」は、“不当に扱われた男”という意味を持つ言葉です。
罪を犯したのではなく、罪を“与えられてしまった”存在。
このタイトルには、作品全体の痛みと優しさ、そして問いかけがすでに込められています。

誰かが間違った判断をすれば、その影響は一生をも狂わせることがある。
けれど、信じる誰かがいる限り、真実は消えない――
そんな静かな希望とともに、この映画はそっと幕を下ろします。

作品データ

《スタッフ》
監督:トム・マクローリン
製作:ケイト・ブティロ
脚本:ジェフリー・レヴィンソン
原案:ジャネット・グレゴリーの実体験に基づく
撮影:ジョン・トーマス
音楽:ピーター・ロジャーズ・モール

《キャスト》
出演:
ジュリア・オーモンド(ジャネット・グレゴリー)
マーシャル・ベル(カルヴァン・ウィリス)
ブルース・マッギル
ケン・リーマー
トニー・ベントレー

爺さん頑張ってます!
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