
戦火の馬(2011)
【作品解説】スティーブン・スピルバーグが、戦争の残酷さの中に“生き物同士の約束”をそっと置いた戦争ドラマ。
イギリスの貧しい農家の少年アルバートは、父が競売で手に入れた一頭の馬にジョーイと名づけ、言葉のいらない相棒として育てていく。だが第一次世界大戦が始まり、ジョーイは軍馬としてフランスの戦地へ送られてしまう。
塹壕、泥、砲声の中で、ジョーイは出会いと別れを繰り返しながら必死に走り続ける。一方アルバートもまた、ただ一つの再会を信じて前線へ向かう。戦場を隔てても消えない絆が、静かに胸を締めつける一本。
製作・監督:スティーブン・スピルバー
天国と地獄(1963)【邦画】
【作品解説】権藤のもとにかかってくる一本の電話から、すべてが転がり落ちていく。製靴会社の重役・権藤に届いたのは「子供は預かった。3000万円を用意しろ」という脅迫。
だが攫われたのは権藤の息子ではなく、運転手の息子だった。それでも犯人は容赦なく“払え”と迫り、権藤は金と立場、そして人としての矜持の間で追い詰められていく。
一方で警察は、地道で執念深い捜査を積み上げ、犯人の輪郭を少しずつ浮かび上がらせる。密室の心理戦から街を這う追跡劇へ、視点が切り替わるたび緊張が増していく。黒澤明の演出が、上と下、善と悪じゃなく“線一本の差”を突きつけてくる犯罪サスペンスの傑作。
製作:田中友幸
監督・脚本:黒澤明
原作:エド・マクベイン
脚本:小国英雄、久板栄二郎
出演:三船敏郎、仲代達矢、香川京子、山﨑努、三橋達也、木村功、石山健二郎 ほか
ひまわり(1970)
【作品解説】戦争が終わっても、終わらないものがある。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ、イタリアを代表する2大スターが、引き裂かれた夫婦の時間を描くメロドラマ。
出会ってすぐ恋に落ち、勢いのまま結婚したジョバンナとアントニオ。しかしアントニオはソ連戦線に召集され、そのまま消息不明になってしまう。
ジョバンナは「生きているはず」と信じ、手がかりを追って異国へ向かう。やがて辿り着いた再会は、喜びだけでは済まされない現実を連れてくる。
広大なひまわり畑の映像が、幸福だった記憶さえも呑み込んでいくようで息をのむ。ヘンリー・マンシーニの哀切な旋律が、観終わったあともしつこいくらい胸に残る一本。
原題:I GIRASOLI (1970年・イタリア)
音楽:ヘンリー・マンシーニ
ザ・ファミリー(1973)
【作品解説】マフィアの均衡は、ドンの急死ひとつであっさり崩れる。3つの勢力がにらみ合う街で、レガルブート・ファミリーのドン・パオロが突然この世を去り、跡目をめぐる空気が一気に濁っていく。
息子フランクは同盟筋のドン・アンジェロの養子となり、腹心格のファーゴ兄弟は独立へ。だがそこに、服役中のドン・アッジミオの代理人オルランドが火種を放り込み、三つ巴の権力闘争が止まらなくなる。
名匠リチャード・フライシャーらしい硬派なテンポで、同盟・裏切り・報復が連鎖していくのが見どころだ。
【NHKプレミアムシネマ/放送日と作品情報】
放送日時:2月5日(木)午後1:00~午後2:55
上映時間:1時間55分
原題:THE DON IS DEAD (1973年・アメリカ)
製作:ハル・B・ウォリス
監督:リチャード・フライシャー
原作・脚本:マービン・H・アルバート
音楽:ジェリー・ゴールドスミス出演:アンソニー・クイン、フレデリック・フォレスト、ロバート・フォースター、アル・レッティエリ ほか
ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦(1972)
【作品解説】旅回りでロデオを渡り歩く男が、久しぶりに故郷へ帰ってくる。ジュニア・ボナーは、アリゾナ州プレスコットの大会に出るため帰郷し、家族と向き合う時間を取り戻していく。
かつてロデオの名手だった父エースは牧場を失ってもなお一獲千金の夢を捨てられず、兄カーリーは時代の波に乗るように不動産業者へ。故郷も家族も、昔のままではいられない現実が、静かに胸に刺さってくる。
それでもジュニアは、いまの自分にできるやり方で前へ進もうとする。猛牛に挑む場面は、勝ち負け以上に“人生の踏ん張りどころ”みたいな重さがある。
ペキンパーの哀感と詩情が効いていて、派手じゃないのに、観終わると不思議と余韻が残る一本。
製作:ジョー・ワイザン
監督:サム・ペキンパー
脚本:ジェブ・ローズブルック
出演:スティーブ・マックィーン、ロバート・プレストン、アイダ・ルピノ ほか
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968)4Kリマスター版
【作品解説】墓参りに来ただけのはずだった。バーバラと兄ジョニーは、突然よみがえった“死体”に襲われ、ジョニーはあっけなく命を落とす。
恐怖のまま民家へ逃げ込んだバーバラは、そこへ飛び込んできた黒人青年ベンや他の避難者たちと、家の中で立てこもることになる。だが外はじわじわと死者の群れが膨れ上がり、連絡も手段も断たれ、逃げ場のない夜が始まる。
この映画の怖さは、ゾンビの数だけじゃない。閉じた空間で露わになる不信感や衝突が、じりじり神経を削ってくる。
ジョージ・A・ロメロが低予算で叩き出した切れ味が凄くて、ゾンビ映画の“型”を作ったと言われるのも納得。ラストまで油断できない、映画史に残る傑作ホラー。
原題:NIGHT OF THE LIVING DEAD (1968年・アメリカ)
製作:ラッセル・ストライナー、カール・ハードマ
監督・脚本・撮影:ジョージ・A・ロメロ
脚本:ジョン・A・ルッソ
出演:デュアン・ジョーンズ、ジュディス・オーディア、カール・ハードマン ほか
今回も長々とお付き合いありがとうございました!
尚、乱文についてはご容赦を!
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