作品情報・コメント
今回は,リー・モーガンにとって初のワン・ホーン・カルテットをご紹介します。
『Candy/Lee Morgan』(キャンディー/リー・モーガン)
彼のファンにはぴったりの内容といっていい感じます。
私も学生時代から、彼のアルバムはよく聴きました。
本作は、モーガンによるブルーノート6枚目のリーダー作で、1957年11月18日と58年2月2日に録音!
デビュー以来、短期間で6枚のリーダー作を吹き込んだ、しかも10代のプレーヤーは思いつかないな〜〜。
しかもどのアルバムもジャズ史を彩る名盤中の名盤だ!
だから、その凄さは群を抜いていたことは確か!そして未だにその頂点に君臨していると感じます。
しかも、この作品はジミー・ヒース作曲の「C.T.A.」以外は、全てがスタンダードで収録されている。
らしからぬ珍しいアルバムだが、これも個性であり大きな聴きどころだと感じます。
19歳だったことを忘れるぐらい完成度は高い!
スムーズに流れる「キャンデー」のフレージングに軽やかで美しい。
ここではアート・テイラーのドラミンつづグを相づちに、モーガンが軽やかにテーマ・メロディーを奏でる。
あとは初共演となったソニー・クラークが、こぎみよい軽快なタッチでご機嫌なソロがはじまるが、いつもと違いブルージーな表現はない。
言い換えれば、「さっそう」って感じのイメージにつながっている。
そのクラークのラスト・フレーズをもじったメロディーからソロに入っていくモーガンも終始絶好調だ。
伸びのいい高音とアクセントを強調した中音域のバランスがいい。
緊張感というよりもリラックスした気分も味わえつつノリのよさと歌心は見事ですな。
その後はダグ・ワトキンスのベースランニングソロ。
テイラーとモーガンのフォーバースと、フィーチャーするべきものは、全てやったって感じでエンディングに入る。
余裕があるだけでこんなプレイはできない。
この若さで深い味わいさえ感じさせる。それを考えれば、モーガンは桁外れの天才だね。
その他、「Since I Fell for You」、「All the Way」はスローバラッドで円熟味を感じる。
19歳の坊主がこれほどのプレーが出来るなんて、リスペクトです。
残りの三曲は、そつなく熟しているが、ここにも天才肌と言われるプレーが楽しめます。 是非お聴きください。
tunes&members
《曲目》
1. Candy(Mack David, Alex Kramer, Joan Whitney Kramer) 7:04
2. Since I Fell for You (Buddy Johnson) 5:37
3. C.T.A. (Jimmy Heath) 5:07
4. All the Way (Sammy Cahn, Jimmy Van Heusen) 7:23
5. Who Do You Love, I Hope (Irving Berlin) 4:59
6. Personality (Johnny Burke, J. Van Heusen) – 6:11
《パーソナル》
リー・モーガン – トランペット
ソニー・クラーク – ピアノ
ダグ・ワトキンス- ベース
アート・テイラー – ドラムス
録音年 1957年11月18日、1958年2月2日
ニュージャージーにて録音
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