
原題:Conspiracy Theory 製作年:1997年 製作国:アメリカ 上映時間:135分
ジャンル:サスペンス、スリラー 劇場公開日:1997年5月24日 私のおすすめ度:★★★★☆/4.0
作品解説・コメント
「陰謀論者=ただのイカれた奴」と笑えない時代が来る──そんな予感すら漂う90年代の作品。メル・ギブソン演じるジェリーは、妄想と現実の境界が曖昧な男。
彼が語る陰謀話は滑稽で、しかしどこかに「もしかして…」と思わせる説得力がある。
物語は“陰謀マニアの電波男”として始まるが、徐々に現実の陰謀と彼の過去が絡み始め、観る側の不安感をじわじわ煽ってくる構成はうまい。
ジュリア・ロバーツ演じる正義感あふれる検事アリスとのやり取りも絶妙で、次第にこの2人の関係性がただのサスペンス以上の感情を帯びていく。
90年代的な“国家の裏の顔”というテーマ、CIA陰謀、洗脳、記憶操作といったギミックも満載で、当時の空気感が濃厚に反映されている。
ただ、ラストはやや駆け足に見えるが、スピーディな展開でまとめ上げ、記憶に残る一作に仕上がっている。
《見どころ》
「大地震はNASAの仕業」「ノーベル賞受賞者の精子はロックフェラー・センターに冷凍保存されている」などの珍妙な陰謀説を早口でまくしたてるジェリーをM・ギブソンが好演。二転三転するストリーに目が離せない。
動画とあらすじ
《ザックリあらすじ》
N.Y.のタクシー運転手ジェリーは、様々な陰謀説を説く、どこか偏執的な男。記憶を失った彼にとって、はっきりと分かっているのは、司法省に勤務する女性弁護士アリスを守るということだけ。やがて彼らに危険が迫り、ジェリーの失われた過去と、アリスの父の死の秘密が次第に明らかになっていく……。
《こんなこぼれ話も!》
📌 監督のリチャード・ドナーは、メル・ギブソン主演の『リーサル・ウェポン』シリーズでも名タッグを組んで
おり、本作でもその相性の良さが光っている
📌 ギブソンは役作りのため、実在する陰謀論者や精神障害を持つ人物の話を参考にし、ジェリーという
キャラクターにリアリティを加えた
📌 脚本は長らく棚ざらしになっていたが、90年代の「陰謀ブーム」に乗って一気に映画化が進んだと
言われている
📌 ロバーツとギブソンは本作で初共演だったが、当初はお互いに「気難しそう」と思っていたとか。
しかし撮影が始まると打ち解け、以後も親交が続いている
📌 公開当時、「陰謀論」という言葉そのもののイメージを決定づけた作品とも言われており、
一部の陰謀系サイトでは今でも“重要作”とされている
作品データ
《スタッフ》
製作:ジョエル・シルバー
製作・監督:リチャード・ドナー
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
撮影:ジョン・シュワルツマン
音楽:カーター・バーウェル
《キャスト》
出演:
メル・ギブソン
ジュリア・ロバーツ
パトリック・スチュワート
シルク・コザート
スティーブ・カーン
テリー・アレクサンダー
アレックス・マッカーサー
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