High Pressure – Red Garland Quintet 
ハイ・プレッシャー – レッド・ガーランド・クインテット
(録音日:1957年11月15日 リリース日:1961年)

ハードバップ黄金期の粋を詰め込んだ、豪華クインテットのセッション。

解説・コメント

こ『High Pressure』は、マイルス・デイヴィス・クインテットで名を馳せたピアニスト、レッド・ガーランドがリーダーを務めたセッションから生まれた作品。

録音は1957年ですが、日の目を見たのは4年後の1961年でした。まさにPrestigeレーベルの“秘蔵っ子”のようなアルバムです。

フロントを固めるのは、後にジャズの歴史を塗り替えるジョン・コルトレーン(ts)と、若きハードバップの旗手ドナルド・バード(tp)。リズムセクションにはガーランド・トリオの鉄壁コンビ、ジョージ・ジョイナー(b)とアート・テイラー(ds)が控え、完璧な布陣が揃っています。

言うなれば「Prestigeドリームチーム」と言えますな!

タイトルの“High Pressure=高圧”の名のとおり、全編に熱気が充満していて、一音ごとに火花が散るような演奏が繰り広げられます。

ガーランドはブルースの滋味深さを土台に据えながら、フロントの二人に自由な飛翔を許す。そのバランス感覚が見事で、単なる吹きっぱなしのジャムに終わらず、アルバム全体が引き締まって聴こえるのがポイントです>?

コルトレーンはすでに“シーツ・オブ・サウンド”の兆しを感じさせるソロを展開し、フレーズの厚みと推進力で聴き手を圧倒。バードは持ち前の明快さと勢いあるブローで、若々しいハードバップのエネルギーを存分に放っています。

おすすめは「Soft Winds」。軽快なブルース進行の上で、それぞれが好き勝手に吹きまくりながらも不思議とまとまる――まさにジャム・セッションの醍醐味。煙ったいジャズクラブの空気感まで漂ってくるような1曲です。

《聴きどころ》
このアルバムの魅力は、なんといってもフロント2管の熱気と、ガーランドのバッキングの冴え。コルトレーンが畳みかければ、バードが品よく応えるって感じが良い。

その横でガーランドはブルースフィーリングをたっぷり注ぎ込み、演奏全体を“ジャズクラブの空気感”に染めています。

「Undecided」ではテーマからしてスリリングで、ソロのバトルは聴いていて思わずニヤリ。「Two Bass Hit」ではハードバップ的な疾走感が前面に出て、当時のジャズの勢いをそのまま真空パックしたかのよう。

前述したように、リリースの遅れから少し埋もれがちでしたが、実はPrestige黄金期を語る上で外せないセッションです。

Track list & Personal

《Track list》
Undecided – 6:52(Charlie Shavers)
Soft Winds – 13:48(Benny Goodman)
Solitude – 8:33(Duke Ellington)
Two Bass Hit – 8:50(John Lewis, Dizzy Gillespie)
What Is This Thing Called Love? – 14:29(Cole Porter)

《Personal》
Red Garland(レッド・ガーランド)– Piano
John Coltrane(ジョン・コルトレーン)– Tenor Saxophone
Donald Byrd(ドナルド・バード)– Trumpet
George Joyner(ジョージ・ジョイナー)– Bass
Art Taylor(アート・テイラー)– Drums

爺さん頑張ってます!
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