ナイトドリーマー/ウェイン・ショーター

ハービー・ハンコック然り、今回のウェイン・ショーターもまた、古いハードバップから、新生ハードバップを生み出した人物だと思います。

私的には、彼のリーダーアルバムの待ち合わせは少なく、大概がサイドメンでの演奏しか知りません。

しかし、私の知るサックス奏者とは違った一面を感じるんです。

音楽に対しての意識が強く,プレー以外にも作曲や編曲までこなす有能なジャズプレーヤの一人です。

若かりしころ、アート・ブレイキーに見出された彼は、ベニー・ゴルソンの後釜で入り、ザ・ジャズ・メッセンジャーズの音楽監督のような立場でした。

このとき開花したのか多くの楽曲を提供しています。もちろん、3管時代のアレンジもショーターが全て手がけてます。

彼がいた頃が、ザ・ジャズ・メッセンジャーズの第二の黄金時代ですね。ちなみに第一の黄金時代は、『モーニン』の頃です。

そして彼はこの後、マイルスと出会うんです。(以後の話はまたお伝えします)

さて、この『ナイト・ドリーマー』は名盤としては周知のごとくなんですが、メンバーに注目することも意味があります。

人気である要因の一番は、もちろんウェイン・ショーターの作った曲なのです。

どの曲をとっても、素晴らしい曲ばかりなんですが、これは、今までに無いメロディーの作り方なんですね。

そして、このアルバムに華を添えているのが、エルヴィン・ジョーンズのドラムと、マッコイ・
タイナーのピアノだと感じます。

エルヴィンとマッコイはコルトレーンのグループ、ウェインとリー・モーガンは、ジャズ・メッセンジャーズのメンバー。

まさに2つのグループのドッキングアルバムなんです。(これには私も注目しました)

これで、ジミー・ギャリソンだったら、まさにコルトレーンのグループになりますね。(笑)

当時ウェインは、コルトレーンの影響を受け、尊敬もしていたようです。

面白いのが、このアルバムでコルトレーンのバックと同じにすると、ちょっとやばいと考えたんでしょう。

だから、ベースだけはジミー・ギャリソンから、レジー・ワークマンに変えたようです。

よく聴いてみると、エルヴィンがバックで凄くて、他のメンバーに火をつけています。(笑)

これがエルヴィンのドラムじゃなかったら、全然違うものになったでしょうね。

コルトレーンとやって才能が開花したと思うんですが、その後のドラマーたちが彼にすごく影響を受けています。

そんな素晴らしいメンバーの曲を楽しんでみては如何でしょう。

ちなみに、ウェイン・ショーターはこの頃、『スピーク・ノー・イーヴル』 や 『ジュジュ』はほぼ同じメンバーなんですよ。

作品データ

《トラックリスト》
01. Night Dreamer / ナイト・ドリーマー
02. Oriental Folk Song / オリエンタル・フォーク・ソング
03. Virgo / ヴァーゴ
04. Black Nile / ブラック・ナイル
05. Charcoal Blues / チャコール・ブルース
06. Armageddon / アルマゲドン
※レッドマーイングは私のお気に入り

《パーソナル》
ウェイン・ショーター (ts)
リー・モーガン (tp)
マッコイ・タイナー(p)
エルヴィン・ジョーンズ (ds)
レジー・ワークマン(b)

録音日:1964年4月29日
品番:TOCJ-9059 

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