On Green Dolphin Street/オン・グリーン・ドルフィン・ストリート。
このアルバムが、私とマイルス・デイビスの出会いでした。高3でした。その頃は、吹奏楽部に所属していてクラシックや、マーチばかり演奏してました。
しかし、本来洋楽が好きな私でしたから、このアルバムに飛びついた次第です。当時の親友からのプレゼントでした。もちろん、アルバムは全て気に入りましたが、この曲だけは特別なモノを感じていました。
それから、50年の月日は経ちましたが、相変わらず私の愛聴盤であって、ほぼ毎日聴いていますね。マイルスのミュート奏法がいいんです。
それでは、曲について少々お話をしましょう。
1947年公開の映画「Green Dolphin Street」(邦題:大地は怒る)のメインテーマとして作曲されました。
作曲は Bronislau Kaper/ブロニスロウ・ケイパー。 作詞は Ned Washington/ネッド・ワシントン。ちなみに、映画の中では、インストゥルメンタルの曲で歌詞はありませんでした。
「愛の日々を思い出すとき、グリーン・ドルフィン通りの大地にキスをしたくなる」という歌詞は、あとから付けられたものです。
イギリスの港町「Green Dolphin Street」を舞台にした映画の内容に合わせて作られています。「Green Dolphin Street」とは、そのイギリスの地名です。
映画自体は、かなりの酷評ものでしたが、終戦後のアメリカでは、疲れ切った大衆が、このような奇抜な作品(大地震と津波のシーンが良かったようで!)を期待していたのでしょうかね。知りませんが….。
しかし、アカデミー賞(録音賞,視覚効果賞)を受賞するに至ったそうです。ただ、残念なことにこのテーマ曲は、ヒットしなかったようです。
その10年後に、マイルス・デイビスに取り上げられたことにより、ジャス・スタンダード・ナンバーとして、持てはやされたそうです。まさにマイルス・デイビスのおかげ!
その後も、マイルスはもちろんのこと、ビル・エヴァンスなど、多くのジャズマンの演奏でスタンダード・ナンバーとして確立しました。今では知らない人は、少なくないでしょう。
私たち(昔の私)インストゥルメンタル奏者には、とても人気が高い曲なのですが、シンガーにとっての人気はそれほどではないと感じます。
最近は、コロナ渦なので時間がたくさんありますので、多くのジャズプレイヤーの演奏を聴き比べています。既に40にもなる演奏を聴きました。
しかし、やはりマイルスの神秘的なミュート奏法、キャノンボール・アダレイの豪快なアドリブ、ジョン・コルトレーンのぶった切ったサウンド、ビル・エバンスの細やかなバックキング。誰をとっても凄いプレーヤーです。
最後に、この名曲を聴いて下さい!
【メンバー】
PAUL CHAMBERS- double bass
JIMMY COBB- Drums
BILL EVANS-Piano
CANNONBALL ADDERLEY- sax contralto
JOHN COLTRANE-sax tenore
MILES DAVIS-Trumpet
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