ある日、寿恵子は高藤から呼び出され、神田の薫風亭に向かった。店に入ってきた寿恵子を見て、竹雄は驚いた。
高藤は、元老院の白川に寿恵子を養女にしてもらった上で自分の家に迎え入れるつもりだと話し、舞踏練習会発足式が終わるまで返事を待つように言った。(6/12の放送分)
竹雄はその話を聞いて、その夜、印刷所に向かい、事の次第を万太郎に伝えたが、万太郎はまだ何も成し遂げていないため、寿恵子に会うことはできないと答えたが………………。
万太郎の石版印刷の技術は、ついに万太郎自身も納得のいくレベルになり、刷り上がりを見た竹雄も驚く。そして万太郎は、大畑とイチに植物学雑誌の印刷を注文する。
膨大な数の標本の検定も終了し、名前が分からない標本については、ロシアのマシキモヴィッチ博士に送り検定してもらうことになった。
万太郎は自分の未分類の標本も一緒に送る許可を田邊から得ることができた。しかし、田邊は雑誌については、出来が良ければ発行し、悪ければ発行しないことを決め、燃やすともいった!
そして、責任のすべては万太郎に負わせるつもりだった。(外見は良くとも心に毒あり)
徳永はこのことを知り、万太郎の雑誌制作に協力することになりそうな。
「わしも万葉集が好きです」のことだが効いたみたいや。きっと心変わりするで!(6/13の放送分)
やがて、すべての原稿が集まり、万太郎は石版に自分で精巧な植物画を描き、ついに雑誌が完成した。
その出来栄えは田邊に認められ、植物学関係者をはじめ、マキシモヴィッチ博士や国内の学校などに配られることになった。
万太郎は雑誌制作を大窪に引き継ぎ、自分は図鑑制作に取りかかることを決めた。
その前に、万太郎は大畑とイチに自分と寿恵子の仲人を頼むことにした。大畑はこの依頼に一肌脱ぐ覚悟であり、大安吉日の早朝、紋付袴姿で白梅堂に釣書を届けに行った。
それは舞踏練習会発足式の朝のことだった。その後、高藤家で見事なダンスを披露した寿恵子は、「愛のために生きなさい」と教えてくれたクララに礼を言い、高藤を置いてドレス姿のまま飛び出して行った。
夕暮れの十徳長屋で、万太郎は子どもたちと白いユウガオの花を眺めていた。
そこへ突然現れた寿恵子。「ユウガオのお姫様」と驚く子どもたちに、万太郎は言った。「私が見つけた、この世で一番愛おしい花だよ」。
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