
原題:The Caine Mutiny 製作年: 1954年 製作国: アメリカ ジャンル: 戦争 / 法廷ドラマ
私のおすすめ度:★★★★☆/4.0点
戦争の嵐が吹き荒れる中、艦内でも渦巻く緊張と疑念……….。
作品解説・コメント
ハーマン・ウォークのピューリッツァー賞受賞小説を映画化した『ケイン号の叛乱』は、戦争映画と心理ドラマが融合した名作中の名作。
第二次大戦中、駆逐艦ケイン号のクイーグ艦長は、規律を重んじるあまり疑心暗鬼に陥り、乗組員たちとの対立を深める。嵐の中で副長たちは艦長を解任するが、帰港後に待っていたのは軍法会議だった。
これは単なる戦争映画じゃなく、心理戦&法廷ドラマ。
クイーグ艦長は最初こそ厳格な指揮官に見えるが、次第にヤバい方向に転がっていく。その”転がり方”が絶妙で、彼が本当に狂っていたのか、それとも部下が誤った判断をしたのか、観る者に問いかける展開が秀逸。
軍法会議のシーンは圧巻。弁護士グリーンウォルド(ホセ・フェラー)が冷静に追い詰め、クイーグが”鉄球コロコロ”を始める瞬間に「あ、決定的だな」となる。ボガートの演技は鳥肌もの。
戦闘シーンはほぼないが、心理戦の緊張感で最後まで惹きつけられる。単純な”正義vs悪”じゃなく、どっちが正しいのか判断に迷う展開が見どころ。組織の中での責任と人間の弱さを鋭く描き、考えさせられる名作。
動画とあらすじ
《ザックリあらすじ》
駆逐艦ケイン号の指揮を任されたクイーグ艦長は、規律を重視する一方で、次第に奇妙な行動を取り始める。些細な問題に執着し、乗組員を不当に叱責し、極端な判断を下すようになる。
士官たちは彼の指揮に疑問を抱き、命を守るために解任を決断。
しかし、軍法会議で待っていたのは、その正当性を問う厳しい追及だった。クイーグは不適格だったのか、それとも部下たちの思い込みだったのか——真実が裁かれる。
作品データとトリビア
《スタッフ》
監督: エドワード・ドミトリク
原作: ハーマン・ウォーク(同名小説 / ピューリッツァー賞受賞)
音楽: マックス・スタイナー
撮影: フランツ・プラナー
脚本: スタンリー・ロバーツ
《キャスト》
クイーグ艦長/ハンフリー・ボガート
バーニー・グリーンウォルド弁護士/ホセ・フェラー
メアリーク副長/ヴァン・ジョンソン
キーファー通信士官/フレッド・マクマレー
キース少尉/ロバート・フランシス
チャーリー・ダースト判事/イー・G・マーシャル
《裏話・トリビア》
📌 ボガートの役作りと健康問題
クイーグ艦長の”鉄球コロコロ”の仕草は、精神不安を表現するための細かい演技。軍法会議のシーンでの鬼気迫る姿は映画史に残る名演だが、当時ボガートは体調を崩しており、後に食道がんと診断されることになる。
📌 実在の士官がモデル?
クイーグ艦長のキャラクターは、ウォークの従軍経験に基づいているとされる。具体的な人物名は明かされていないが、彼が見た指揮官の行動が反映されている可能性が高い。
📌 原作者のこだわり
ウォークは海軍出身で、細部までリアリティにこだわった。映画でも軍法会議のシーンは緻密に描かれ、実際の軍事裁判の雰囲気を忠実に再現している。
📌 TVムービーと舞台化
1975年にTVムービー化、1988年には舞台版が制作。舞台版では軍法会議に重点を置き、心理戦がより強調される内容になっている。
📌 海軍の反応
公開当時、アメリカ海軍は「架空の話」と強調したが、組織のリーダーシップ研究の教材として現在も使われることがある。
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