原題:The Substance 製作年:2024年 製作国:フランス 上映時間:141分
ジャンル:ホラー/サイコスリラー/ボディホラー 私のおすすめ度:★★★☆☆/3.5点

若さを欲した先にあったのは、「理想の自分」という名の地獄。

作品解説・コメント

若さと美しさを失いつつある元人気女優が、違法薬品「サブスタンス」によって“もう一人の自分”を生み出してしまう。
そんな設定から始まる本作は、ホラーの皮をかぶった極めて露骨な社会批評映画だ。

監督はコラリー・ファルジャ
ジャンルは完全にボディホラーだが、狙いは恐怖そのものではなく、「美を消費する側/される側」の関係を暴き出すことにある。

主演のデミ・ムーアの存在が、この映画に決定的な重みを与えている。
かつて“若さと美”の象徴だった女優自身が、老いと価値の喪失を突きつけられる役を演じる。その構図自体が、この作品の核心だ。

映像表現はかなり過激で、観る側を選ぶ。
だが不快さの先にある問いは明確で、観終わったあとも頭から離れない。

動画とあらすじ

《ザクッとあらすじ》
50歳の誕生日を迎えた元人気女優エリザベスは、仕事の減少と容姿の衰えに強い不安を抱いていた。
そんな彼女が手に入れたのが、若さと美しさ、そして完璧な自分を得られるという薬品〈サブスタンス〉。

注射を打った瞬間、彼女の身体は裂け、そこから若く理想化された存在「スー」が現れる。
二人は同一人物でありながら同時には存在できないというルールのもと、奇妙な共存生活を送るが、その均衡は次第に崩れていく。

作品データ&豆知識

《スタッフ》
監督・脚本:コラリー・ファルジャ
音楽:ラファエル・ゲシェ

《キャスト》
エリザベス:デミ・ムーア
スー:マーガレット・クアリー

《こぼればなし・裏話》
・2024年カンヌ国際映画祭で上映され、途中退出者が出る一方、強い称賛も浴びた賛否両極端の一本。
・デミ・ムーアは本作を「恐怖を演じるのではなく、恐怖を引き受ける役」と語っている。
・スー役のマーガレット・クアリーには、人間味を抑えた“完璧さ”が意図的に求められた。

《原題の意味合いとは》
The Substanceは「本質」「実体」を意味する言葉だ。
若さや美を更新しても、人間の“中身”まで置き換えられるのか。
原題はその問いを、冷酷なほど直球で突きつけている。

《総評として》
評価ははっきり割れている。
グロテスクで受け付けないという声も多いが、ここまで過剰に描かなければ、このテーマは成立しなかったとも言える。

良い点は、テーマの明確さと妥協のなさ。
一方で、観客への配慮や救いはほとんどないため、純粋な娯楽作を求める人には厳しい。

それでも本作は、「若さを失う恐怖」ではなく、
「更新し続けなければ価値がないという現代の呪い」を可視化した映画として、強烈な印象を残す。
万人向けではないが、忘れがたい一本だ。

爺さん頑張ってます!
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