(邦題)「オフ・リミッツ/ケニー・クラーク=フランシー・ボーラン・ビッグ・バンド」
いつも私を楽しませてくれる、私の大好きな名盤です。この楽団の演奏には毎回驚かされます。
「オフ・リミッツ」は、ヨーロッパ最高のビッグバンドであるクラーク=ボーラン・ビッグバンドが活動の最盛期に放った豪快かつスリリングな作品です。
このアルバムでは、ほとんどがフランシー・ボーランによるレパートリーですが、今回は当時ヨーロッパを代表する4人の作曲家の楽曲を採用しています。
それらの作曲家は、ジョン・サーマン(英)、ジャン・リュック・ポンティ(仏)、アルバート・マンゲルスドルフ(独)、エディ・ルイス(仏)です。
この4人は、ボーランを含むメンバーとともに当時来日し、「ダウンビート・ポールウイナーズ・イン・ヨーロッパ」としても活動していました。
特にマンゲルスドルフの曲は、その時の日本の印象を作曲したものでしょう。アヴァンギャルドな要素を取り入れつつも、豪快なスウィング感が感じられる演奏は、本当に心地よいものです。
また、メンバーも現在の視点から見ても、オールスタービッグバンドと呼ぶにふさわしい顔ぶれですね。
フランシー・ボーラン、ケニー・クラーク、サヒブ・シハブをはじめ、ベニー・ベイリー、アート・ファーマー、ダスコ・ゴイコヴィッチ、ロニー・スコットなど、超豪華なメンバーが参加しています。
なお、アルバムの最後を飾る「ENDOSMOSE」は、デレク・ハンブルがクラーク=ボーラン楽団との最後の録音となりました。この曲では、エレクトリック・ピアノを使用してコンテンポラリーな作品に仕上がっています。
最後に、先述の通り、本作は1970年にリリースされたばかりで、同年にはフランシー・ボーランが大阪万博に来日したそうです。
その時の思い出を綴った「Osaka Colling」や「Sakara」、さらには万博の時にも演奏された「Our Kind Of Sabi」の再演など、緊張感に満ちたビッグ・バンド・ジャズを楽しむことができる素晴らしいアルバムです。
Track&Personal
Track
↓ ↓ ↓