原題:BEING THERE 製作国:アメリカ 製作年度:1979年 上映時間:130分
ジャンル:コメディ 私のおすすめど:★★★★★/5.0点(私的)
作品情報・コメント
数十年間ひたすら庭いじりだけを仕事としてきた俗世間を知らない庭師が、その純真無垢な精神故に知らぬ間に大統領にまでなるというコメディ映画。
監督は「さらば冬のかもめ」 のハル・アシュビー。主演はクルーゾー警部でお馴染みピーター・セラーズ。
アメリカでの公開順では「天才悪魔フー・マンチュー」(1980)のほうが後になるそうですが、撮影順では本作が遺作ということでした。
共演にシャーリー・マクレーン、メルビン・ダグラス、ジャック・ウォーデンなど。
大笑いはないが、クスって感じが笑えます!
ジャンルはコメディとなっていますが、メッセージ性の強い風刺映画と言えるでしょう。
仮に周囲のちょっとした勘違いで、どんどんと祭り上げられるストーリーってよくありますが、実はこの映画も同じパターンです。
主人公チャンスの生い立ちは、金持ちの大邸宅に何かしらの理由で生まれ、物心ついたら庭師になっていて、その後30年以上の住み込み、おまけに引きこもり。
まともではない人柄。知的障害者?
一体どんな奴かと言えば、まず読み書きが全く駄目で、話す話題は花や草木の成長などの世話にまつわることばかり。
唯一の楽しみは、テレビ鑑賞で特異なまでのこだわりがあるし、隠そうとしない。
そんな奴が、突然世間に出たらどうなるか、ココがこの作品の「肝」であって、やたら面白くて時間の経つのを忘れます。
本来なら、場にそぐわない主人公の言動に違和感があるんですが、周りの人間の方が滑稽に見えてしまうのが不思議!
そんなシーン満載です。やっぱり、クルーゾー警部は面白い!
印象に残るシーンは、若妻イブがチャンスに恋心を抱き、寝室で誘惑しようとします。しかし、彼はテレビに夢中!
一向にその気にならない彼の真横で声を上げて自慰行為に及んでしまった!「絶句!」
これって笑って良いのか?って考える暇のなく、びっくり仰天で笑っちゃいました。
この場は、チャンスの方がかなりへンだが、彼女の行為に滑稽さが…..。そういえば、大統領のファーストレディも性的に満たされていないようなシーンもちらほらと。
なんだか、性にばっかり目が行きまして、一番面白かったていうのも問題ですな。
財界においても政治においても一時が万事、彼を取り巻く側が滑稽にあるときは邪悪に見えてくるような話です。
もてはやされ、彼なりに楽しんだ生活も富豪の死によって終了。チャンスは、葬儀を抜け出して森を抜けて湖の水面を歩いて去っていった。
途中、立ち止まり傘を湖に沈めると、ぐぐっと傘が根元まで沈む! ??????!
最後の意味ってなんだったんでしょう。
動画とあらすじ
《ザックリあらすじ》
物心ついた時から数十年間、ひたすら庭をいじり続け、テレビだけを楽しみに生きてきた庭師のチャンス。
ある冬の朝、老主人が死んだことから屋敷が閉鎖され、彼は生まれて初めて喧騒の街の中へ飛び出すことになった。
ふとしたことから出会った経済界の大物ベンジャミンは、チャンスの無垢な精神に驚嘆する。
チャンスの語る植物の話をベンジャミンの親友の大統領が、”経済論”と勘違いして演説に引用したことから、チャンスは一躍、時の人となるのだが…。(引用元:Amazonプライム)
エンディングでチャンスが、池に入っていくシーン。1000人に1人、10000人に1人も居ないようなチャンスの純真さがあれば、こんな奇跡も可能かもしれません。ってこと?
そう言えば、最近では『ジョーカー』も同じようなパターンの話だったような気がします。ちょっと変型してますが。
作品データ
《キャスト》
出演:
ピーター・セラーズ
シャーリー・マクレーン
ジャック・ウォーデン
メルビン・ダグラス
リチャード・ダイサート
リチャード・ベースハート
《スタッフ》
監督:ハル・アシュビー
製作:アンドリュー・ブローンズバーグ
製作総指揮:ジャック・シュワルツマン
原作:イエジー・コジンスキー
脚本:イエジー・コジンスキー
撮影:キャレブ・デシャネル
音楽:ジョニー・マンデル
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