原題:Children of Men 製作年:2006年 製作国:イギリス・アメリカ 上映時間:109分
ジャンル:SF/ディストピア/ドラマ 私のおすすめ度:★★★★☆/3.5

「希望が死んだ世界で、最後に残った“希望そのもの”を守れるか?」
未来を信じる者たちの静かな闘い。

作品解説・コメント

暴力や混乱、そして無関心が蔓延する世界。そんな中で生まれた“新たな命”が、どれだけ貴重な存在かって話で、やや暗めな作品。

ド派手なアクションは少ないが、画面の隅々まで意味が詰まっていて、一本筋の通ったメッセージが突き刺さってくる。

クライヴ・オーウェンの演じるセオは、最初はただ流される男だったが、物語が進むにつれて、彼の中に「信じる力」が芽生えていく過程が静かに熱い。

希望が失われた世界で、それでも誰かの未来を守ろうとする人間の姿が、心にじわりと響く。

映像、脚本、演出すべてが高水準。見終わったあと、静かに深く残る作品や。

《コメント》
P・D・ジェイムズの同名小説を、アルフォンソ・キュアロン監督が映画化。

舞台は2027年、18年間も子どもが生まれていないという絶望的な未来。国家は崩壊寸前で、移民は激しく迫害され、社会はバラバラになっている。

そんな中、元政府官僚のセオは、何の希望も持たずに日々をやり過ごしていたが、ある日“世界の未来を変える存在”と出会う。

この作品はSFでありながら、とにかく映像がリアル。長回しのシーンや、音を抑えた演出がすごく印象的で、まるで自分がその場にいるような緊張感を味わえる。

キュアロン監督の映像づくりは静かで硬質だけど、そのぶん物語の深刻さがグッと伝わってくる。

《スタッフ》
監督:アルフォンソ・キュアロン
製作:マーク・エイブラハム、エリック・ニューマン ほか
脚本:アルフォンソ・キュアロン、ティモシー・J・セクストン、デヴィッド・アラタ ほか
原作:P・D・ジェイムズ
撮影:エマニュエル・ルベツキ
音楽:ジョン・タヴナー

《キャスト》
出演:
クライヴ・オーウェン(セオ)
ジュリアン・ムーア(ジュリアン)
マイケル・ケイン(ジャスパー)
キウェテル・イジョフォー(ルーク)
クレア=ホープ・アシティ(キー)

ちなみに!
『トゥモロー・ワールド(2006)』の原題は
👉 Children of Men(チルドレン・オブ・メン)。
この原題の意味合い、ちょっと考えさせられる深いもんがあるんよ。

🔍 原題の意味
「Children of Men」は、直訳すると 「人間の子どもたち」、あるいは「人類の子どもたち」という意味。
でも、ここでの「Men(男たち)」は単に“男性”を指すんやなくて、人類全体(mankind)の古風な表現として使われとるねん。

🧠 含意・ニュアンス
物語の背景は「人類が子どもを産めなくなった世界」やから、このタイトルには次のような皮肉やメッセージが込められとると考えられる。

「子どもたちのいない人類」(つまり絶滅に向かう人類の姿)
「人類が未来を失った状態」
「未来を取り戻すために希望となる子ども(新しい命)」

つまり、タイトルは、“人類にとっての希望の存在”や、“未来の可能性”という意味も含んでるんやな。
ちなみにこの原題は、原作となったP・D・ジェイムズの同名小説にもそのまま使われてるよ。

宗教的な響きもあって、「神の子ら」とか「救済されるべき者たち」みたいなニュアンスも含ませとるとも言われてるで。

なんか詩的で深いタイトルやなぁって思わん?
『トゥモロー・ワールド』って邦題も悪くないけど、原題の方がよりテーマに刺さっとる気がするわ。

爺さん頑張ってます!
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