嗚呼！懐かしのゴールデン洋画劇場　Vol. 027

恋するベーカリー（2009）

メリル・ストリープ主演、大人の恋心をユーモアたっぷりに描いたロマンティック・コメディ。3人の子どもを育て上げたジェーンは、地元で人気のベーカリーを営みながら、仕事も暮らしも充実した日々を送っていた。

けれど、どこかぽっかり空いた気持ちを抱えていたのも事実。そんなある日、息子の大学の卒業式で訪れたニューヨークで、なんと元夫ジェイクと再会。

しかも、そこで新たに出会った建築家アダムの存在が、さらにジェーンの心をかき乱していく。監督は『マイ・インターン』のナンシー・メイヤーズ。軽やかな語り口の中に、大人ならではのときめきと迷いが詰まった一作。

作品情報

放送日時:6月16日(月)
午後1:00～午後3:01 内容時間:2時間01分

原題：IT’S COMPLICATED　(2009年・アメリカ)
製作・監督・脚本：ナンシー・メイヤーズ
出演：メリル・ストリープ、スティーブ・マーティン、アレック・ボールドウィン ほか 

勝手にしやがれ（1959）

フランスの鬼才、ジャン＝リュック・ゴダールが放つ記念すべき長編デビュー作。当時の映画作法を大胆に打ち破る斬新な演出で、映画界に衝撃を与えた“ヌーヴェルヴァーグ”の象徴的作品だ。

仲間であるフランソワ・トリュフォーの原案をもとに、自動車泥棒のミシェル（ジャン＝ポール・ベルモンド）と、アメリカ人留学生パトリシア（ジーン・セバーグ）の刹那的な青春がモノクロームのパリを駆け抜ける。

映画そのものへの愛に満ちたゴダールならではの演出は、半世紀以上を経た今でもなお、鮮烈に観る者の心を揺さぶる。

作品情報

放送日時:6月17日(火)
午後1:00～午後2:31 内容時間:1時間31分

原題：A BOUT DE SOUFFLE　(1959年・フランス)
監督・脚本：ジャン・リュック・ゴダール
原案：フランソワ・トリュフォー
出演：ジャン・ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ、ダニエル・ブーランジェ ほか 

PLAN 75（2022）

超高齢社会となった近未来の日本――。国家は、75歳以上の高齢者に“自ら死を選ぶ権利”を与える制度〈プラン75〉を施行する。

78歳のミチは、長年働いてきた職場を年齢だけを理由に突然解雇され、住まいも危うくなるなか、この制度の申請を考え始める。

夫に先立たれ、ひとり静かに暮らしてきた彼女の胸に去来するのは、「生きること」への問いと、小さな希望。

名優・倍賞千恵子が、心に揺れを抱えながらも凛とした姿で前を向こうとするミチを、静かに、しかし力強く演じる。監督・脚本を務めたのはこれが長編デビューとなる早川千絵。カンヌ映画祭でも特別表彰され、国際的にも高く評価された一作。（初回放送日：2025年6月19日）

作品情報

放送日時:6月19日(木)
午後1:00～午後2:54 内容時間:1時間54分

タイトル：PLAN 75　(2022年・日本/フランス/フィリピン/カタール)
監督・脚本：早川千絵
出演：倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン ほか

小さな巨人（1970）

ダスティン・ホフマン主演、壮大なアメリカ西部を舞台に、先住民族と白人社会の間を生き抜いた男の波乱の半生を描く異色の西部劇。

物語の語り手は、121歳を迎えたジャック・クラブ。かつて“全滅”とされたカスター将軍の騎兵隊のただ一人の生き残りとして、激動の人生を静かに語り始める。

10歳で両親を失ったジャックは、シャイアン族に引き取られ、彼らの文化とともに育つ。体は小さくとも心は広く、仲間から“小さな巨人”の名で親しまれる存在に。

だが運命は皮肉にも彼を再び白人社会へと引き戻す。騎兵隊との戦いの末、捕らえられたジャックは、今度は“文明社会”の中で揺れ動く。民族の間を漂うように生きる彼の姿には、国家や文化を越えた人間のたくましさと哀しみが滲む。

作品情報

M:I-2

トム・クルーズが再びイーサン・ハントを演じる、大ヒットスパイ・アクションシリーズ第2弾。今回のミッションは、テロリストに奪われた致死性ウイルス〈キメラ〉の奪還。

新たなチームを率いたイーサンは、スペインで謎めいた美しき女性怪盗ナイアと接触するが、彼女に心を奪われたことで、任務は次第に複雑な局面へと突入していく。

監督は『男たちの挽歌』で知られるジョン・ウー。彼の持ち味であるスローモーションと白い鳩、そして銃撃戦が織りなすスタイリッシュな演出が、物語に華を添える。スリルと美学が交錯する、まさに“映画的快楽”に満ちたアクション超大作。

作品情報

激動の昭和史 沖縄決戦（1971）

太平洋戦争末期、日本本土を目前に控えた最後の激戦——沖縄戦。

壮絶な地上戦に巻き込まれた兵士と民間人たちの姿を、岡本喜八監督が重厚な筆致で描き出す戦争大作。

敗戦の色が濃くなるなか、日本軍は本土決戦の防波堤として沖縄に大兵力を投入するが、圧倒的な戦力で迫るアメリカ軍の前に防衛線は突破され、ついに上陸を許してしまう。大本営からも見放された島の人々と兵士たちは、逃げ場のない戦場で、過酷な運命に翻弄されていく。

小林桂樹、丹波哲郎、仲代達矢ら実力派がそろったキャスト陣が、魂を込めて“戦争の現実”を体現する。今なお観る者に問いを突きつける、骨太の反戦ドラマ。（初回放送日：2025年6月22日）

作品情報

爺さん頑張ってます！
↓　↓　↓