
ジャンル:ロマンス/ドラマ 私のおすすめ度:★★★★★/5.0点
愛より重いものがあると知った夜!
作品解説・コメント
第二次世界大戦下のモロッコ、カサブランカ。ナイトクラブを営むアメリカ人リックの前に、かつて深く愛した女性イルザが突然現れる。しかも彼女は反ナチ活動の指導者ラズロの妻となっていた。
物語は三角関係の恋愛劇の形をとりながら、本質は「愛」と「大義」のどちらを選ぶかという男の覚悟を描いている。ここがこの作品の芯だ。
見ておいてほしいのは、クラブでラ・マルセイエーズが高らかに歌われる場面。抑え込まれていたイルザの感情が一気に解き放たれる瞬間で、映画全体の緊張が頂点に達する。
そして霧に包まれた空港の別れのシーン。ボガートの背中がすべてを語る。あの静かな表情の中に、この映画の答えがある。と感じる。
「君の瞳に乾杯」という名台詞も有名だが、台詞以上に、言葉を飲み込む間の取り方が実に巧い。
正直に言えば、展開にはやや芝居がかった部分もあるし、偶然の積み重ねは古典的だ。でもそれを補って余りある陰影の映像美と台詞の力がある。
白黒映画ならではの光と影が、この物語を永遠のものにしている。
若い頃に観たときはロマンスとして心に残った。でも今観ると、あの決断の重みのほうが沁みる。年齢を重ねてからこそ味わえる一本だと思う。
動画・あらすじ
♪ As Time Goes By ‐ Dooley Wilson Casablanca - Humphrey Bogart、Ingrid Bergman
《ザックリあらすじ》
戦火から逃れようとする人々が集まる街カサブランカ。クラブ経営者リックは、ある日かつての恋人イルザと再会する。
彼女はレジスタンスの英雄ラズロの妻だった。リックは自由の国へ渡るための通行証を持っている。愛を取り戻すのか、それとも彼女を未来へ送り出すのか。最後に彼が選ぶ道とは……..。
作品データ&豆知識
《スタッフ》
監督:マイケル・カーティス
製作:ハル・B・ウォリス
脚本:ジュリアス&フィリップ・エプスタイン ほか
《キャスト》
ハンフリー・ボガート(リック)
イングリッド・バーグマン(イルザ)
ポール・ヘンリード(ラズロ)
《こぼればなし・裏話》
撮影中に脚本が頻繁に書き換えられ、結末も直前まで固まっていなかった。
バーグマン自身もイルザが最終的に誰を選ぶか知らされていなかった。
主題歌「As Time Goes By」は当初差し替え予定だった。
《原題の意味合いとは》
単なる地名だが、この街は「通過点」の象徴でもある。人はここに留まらない。愛もまた、永遠ではなく選択によって形を変えるという暗示を感じる。
《総評として》
アカデミー作品賞受賞作として映画史に刻まれた最高の名作だと感じるが。ロマンス映画でありながら、実際には“決断”の物語のような気もする。
テンポや構成は今の映画に比べればゆったりしている。でも、静かな覚悟と余韻を味わえる作品はそう多くない。世間的評価が高いのも納得だ。
不安な時代にこそ観たくなる映画。そして、愛を選ばないという選択が、こんなにも美しく映る作品は他にそう多くない。この辺りのボガートが良い味だ。
これは、何度も観ることで味が深くなる映画だ。
爺さん頑張ってます!↓ ↓ ↓






