原題:Absolute Power 製作年:1997年 製作国:アメリカ 上映時間:121分
ジャンル:サスペンス、犯罪 劇場公開日:1997年5月24日 私のおすすめ度:★★★★☆/4.0

作品解説・コメント

クリント・イーストウッドが監督・主演を務めたサスペンス映画『目撃』(原題:Absolute Power)は、権力と正義の狭間で揺れる人間ドラマが描かれた作品だ。原作はデヴィッド・バルダッチの同名小説で、政治の闇と個人の信念がぶつかるストーリーが展開される。

主人公は、長年にわたり泥棒稼業を続けてきた名うての盗人ルーサー(クリント・イーストウッド)。ある日、大統領(ジーン・ハックマン)の不倫現場に遭遇し、その場で起こった殺人を目撃してしまう。問題は、その殺人が大統領を守るシークレットサービスによって行われたこと。ルーサーは事件現場から逃げるものの、唯一の目撃者として命を狙われることになる。

映画は単なる犯罪スリラーではなく、権力がどこまで腐敗し得るのか、そして個人の良心がどこまで貫けるのかを描く。大統領を演じるジーン・ハックマンの冷徹かつ自己保身に走る演技が素晴らしく、彼の周囲の政治家たちもまた、不都合な真実を隠蔽しようと画策する。その一方で、ルーサーの娘(ローラ・リニー)との関係性も描かれ、彼の人間味が際立っている。

感想として!

いや~、さすがクリント・イーストウッドさん、渋さ全開の映画!『目撃』は、派手なアクションとか爆発ドーン!みたいなのはないけど、ジワジワくるサスペンスと心理戦がめちゃくちゃ面白い。イーストウッド演じるルーサーは泥棒なんだけど、ただの悪党じゃなくて信念がある男って感じでカッコいいんだよね。

一番ゾクッとしたのは、大統領(ジーン・ハックマン)のクズっぷり。最初は「おっ、ハックマン大統領!」ってなるんだけど、どんどん「いや、こいつヤバすぎるだろ…」ってなる。周りの政治家もみんなグルで、もう腐敗しまくり。それに対して、エド・ハリス演じる刑事がいい感じにバランスを取ってくるんだよね。

あと、娘との関係がちょっと切なくて良い。ルーサーは彼女にとって「信用できない父親」なんだけど、逃げながらも彼なりに娘を守ろうとする。その不器用な感じがまたイーストウッドらしくて最高。アクションバリバリじゃなくても、こういう静かに熱いドラマがあるのがこの映画の魅力だなって思う。

全体的に、大人向けのじっくり楽しめるサスペンスって感じ。スピーディーな展開よりも、キャラクター同士の駆け引きを楽しむ映画だから、派手なのが好きな人にはちょっと地味かも。でも、イーストウッドの渋い演技と、どこまでも腐った権力の恐ろしさが描かれていて、見応えバッチリだった!

作品データ

《スタッフ》
監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮:トム・ルーカー
製作:クリント・イーストウッド カレン・スピーゲル
原作:デビッド・バルダッシ
撮影:ジャック・N・グリーン
音楽:レニー・ニーハウス
美術:ヘンリー・バムステッド

《キャスト》
出演:
ルーサー・ホイットニー/クリント・イーストウッド
アレン・リッチモンド大統領/ジーン・ハックマン
セス・フランク/エド・ハリス
グロリア・ラッセル/ジュディ・デイビス
ケイト・ホイットニー/ローラ・リニー
ティム・コリン/デニス・ヘイスバート

お爺さんも頑張ってます!
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